胆道癌化学療法―術前・術後・非切除

胆道癌は外科切除が唯一の根治治療であるが,切除可能であっても早期ではなく進行癌の状態,あるいは遠隔転移や高度浸潤のため切除不能進行癌の状態で発見されることが多く,切除後や切除不能例に対して化学療法が施行されている.本邦では,切除不能胆道癌に対する標準的1次治療はゲムシタビン+シスプラチン併用療法である.2次治療としてエスワンが多く使用されているが,胆道癌術後補助化学療法を含めてそれらのエビデンスは確立されていない.切除可能例や,切除不能例に対するconversion therapyのための化学療法も試行錯誤である.今後,現在進行中の前向き試験の結果が待たれる.さらに,化学療法後の効果を予測する...

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Published inTando Vol. 32; no. 2; pp. 209 - 215
Main Authors 平塚, 裕晃, 光安, 智子, 永山, 林太郎, 野間, 栄次郎, 植木, 敏晴, 丸尾, 達, 畑山, 勝子, 伊原, 諒, 田中, 利幸, 土居, 雅宗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 31.05.2018
Japan Biliary Association
Subjects
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.32.209

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Summary:胆道癌は外科切除が唯一の根治治療であるが,切除可能であっても早期ではなく進行癌の状態,あるいは遠隔転移や高度浸潤のため切除不能進行癌の状態で発見されることが多く,切除後や切除不能例に対して化学療法が施行されている.本邦では,切除不能胆道癌に対する標準的1次治療はゲムシタビン+シスプラチン併用療法である.2次治療としてエスワンが多く使用されているが,胆道癌術後補助化学療法を含めてそれらのエビデンスは確立されていない.切除可能例や,切除不能例に対するconversion therapyのための化学療法も試行錯誤である.今後,現在進行中の前向き試験の結果が待たれる.さらに,化学療法後の効果を予測するバイオマーカーの開発や個別化医療の進歩が期待される.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.32.209