胸腔内に迷入したキルシュナー鋼線を胸腔鏡下に摘出した1例
背景.キルシュナー鋼線の迷入は整形外科領域で散見されるが,胸腔内迷入例は比較的稀である.症例.82歳,女性.他院にて右上腕骨頸部骨折に対しキルシュナー鋼線3本による固定術が施行された.固定術後3週間目,透視下での鋼線抜去の際に,鋼線のうちの1本が右胸部に移動していることが確認され,胸腔内迷入が疑われたため,当院に紹介された.胸部単純CTで鋼線の右胸腔内迷入と右気胸を認めた.胸腔鏡所見では,右S6とS8の境界部に7.0 cm長のキルシュナー鋼線が刺さっていた.胸腔鏡下に鋼線を鉗子で把持し摘出した.肺刺入部からの出血・気漏は認めず,術後4日目に退院した.結論.胸腔内に迷入したキルシュナー鋼線の観察...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 40; no. 3; pp. 236 - 240 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
25.05.2018
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
Subjects | |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.40.3_236 |
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Summary: | 背景.キルシュナー鋼線の迷入は整形外科領域で散見されるが,胸腔内迷入例は比較的稀である.症例.82歳,女性.他院にて右上腕骨頸部骨折に対しキルシュナー鋼線3本による固定術が施行された.固定術後3週間目,透視下での鋼線抜去の際に,鋼線のうちの1本が右胸部に移動していることが確認され,胸腔内迷入が疑われたため,当院に紹介された.胸部単純CTで鋼線の右胸腔内迷入と右気胸を認めた.胸腔鏡所見では,右S6とS8の境界部に7.0 cm長のキルシュナー鋼線が刺さっていた.胸腔鏡下に鋼線を鉗子で把持し摘出した.肺刺入部からの出血・気漏は認めず,術後4日目に退院した.結論.胸腔内に迷入したキルシュナー鋼線の観察と除去に胸腔鏡下手術は有用である. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.40.3_236 |