老人保健施設の看護師による認知症高齢者のための転倒予防看護質指標の実態とその関連要因

本研究の目的は全国の老人保健福祉施設における看護師の認知症高齢者のための転倒予防看護質指標の自己評価の実態と看護師の年齢,看護師経験,高齢者看護経験,認知症高齢者に対する意識との関係を明らかにすることである。2013 年10 月に厚生労働省のホームページに掲載されている老人保健施設3,780 施設から1/2 抽出をした1,840の全国の老人保健施設の看護部長宛てに郵送し,同指標に関する自記式調査を実施した。対象者は1,985 人(有効回答率98.9 %),平均年齢は47.6(± 9.6)歳であった。対象者は指標のほとんどの項目に対して7 割以上実施していたが,ケアプランと実践:【B 認知症高齢...

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Published in日本転倒予防学会誌 Vol. 2; no. 1; pp. 9 - 18
Main Authors 岡本, 恵里, 古田, 良江, 住若, 智子, 小林, 小百合, 鈴木, みずえ, 丸岡, 直子, 平松, 知子, 谷口, 好美, 加藤, 真由美, 髙原, 昭, 泉, キヨ子, 赤井, 信太郎, 水谷, 信子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本転倒予防学会 10.06.2015
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ISSN2188-5702
2188-5710
DOI10.11335/tentouyobou.2.1_9

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Summary:本研究の目的は全国の老人保健福祉施設における看護師の認知症高齢者のための転倒予防看護質指標の自己評価の実態と看護師の年齢,看護師経験,高齢者看護経験,認知症高齢者に対する意識との関係を明らかにすることである。2013 年10 月に厚生労働省のホームページに掲載されている老人保健施設3,780 施設から1/2 抽出をした1,840の全国の老人保健施設の看護部長宛てに郵送し,同指標に関する自記式調査を実施した。対象者は1,985 人(有効回答率98.9 %),平均年齢は47.6(± 9.6)歳であった。対象者は指標のほとんどの項目に対して7 割以上実施していたが,ケアプランと実践:【B 認知症高齢者のその人の持つ視点を重視しかかわる】の「孤独感や混乱に関連したBPSD に起因する転倒を起こさないように工夫する。」は1,047 名(52.9 %)と指標の中で最も低かった。さらに評価-省察:【看護師が自分自身のケアを振り返る】の「実践に関して,看護師が自分自身の実践を振り返る。」は1,364名(69.5 %)と低かった。同指標のすべての項目は日本語版Approaches to Dementia Questionnaire の下位尺度のPersonhood と有意な相関が認められた。以上の結果から同指標は老人保健施設では実施率が高いことが明らかになった。認知症高齢者に関する院内の研修・教育があればさらに転倒予防に対する有用性が高いことが示唆された。
ISSN:2188-5702
2188-5710
DOI:10.11335/tentouyobou.2.1_9