ラマン顕微鏡によるバイオイメージング
「1. はじめに: ラマン顕微鏡による生体イメージング」ヒトのからだは膨大な種類の分子により構成されている. 各種分子の数量や構造・機能を理解するには生化学分析や遺伝子解析などが有用である. しかしこれらの方法では詳細な空間情報を得られないため, 異なる種類の分子が互いにどのように関係しながら機能するのかを直接捉えることは難しく, 複数種の分子が織りなす生命活動の理解は難しい. 分子の詳細な空間情報を得るために生命科学の分野では蛍光顕微鏡がよく利用される. 蛍光顕微鏡ではターゲットを蛍光物質により標識し観察する. 異なる種類の分子やイオンの同時標識・同時識別も可能であり, 複数種の分子の位置関...
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Published in | 生物物理 Vol. 60; no. 6; pp. 331 - 337 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本生物物理学会
2020
日本生物物理学会 |
Subjects | |
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Summary: | 「1. はじめに: ラマン顕微鏡による生体イメージング」ヒトのからだは膨大な種類の分子により構成されている. 各種分子の数量や構造・機能を理解するには生化学分析や遺伝子解析などが有用である. しかしこれらの方法では詳細な空間情報を得られないため, 異なる種類の分子が互いにどのように関係しながら機能するのかを直接捉えることは難しく, 複数種の分子が織りなす生命活動の理解は難しい. 分子の詳細な空間情報を得るために生命科学の分野では蛍光顕微鏡がよく利用される. 蛍光顕微鏡ではターゲットを蛍光物質により標識し観察する. 異なる種類の分子やイオンの同時標識・同時識別も可能であり, 複数種の分子の位置関係を明らかにできる. しかし, 蛍光物質による標識は試料を改変することがある. また, 蛍光標識を観察する場合にはターゲット分子の構造の変化までは追えないことが多い. |
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ISSN: | 0582-4052 1347-4219 |
DOI: | 10.2142/biophys.60.331 |