画像検査が診断に有用であった黄色肉芽腫性胆嚢炎,胆嚢腺筋腫症が併存した胆嚢癌の1例
「要旨」:症例は70歳の女性. 心窩部痛を主訴に当院を受診した. 各種画像検査にて胆嚢腺筋腫症, 黄色肉芽腫性胆嚢炎を合併した胆嚢癌と術前診断し, 手術を施行した. 病理組織学的検討において胆嚢体部に胆嚢癌, 分節型の胆嚢腺筋腫症を認め, 体部から底部に黄色肉芽腫性胆嚢炎を認めた. 本症例は画像所見が質的診断に有用であるのみならず, 組織像を反映するものであった示唆に富む症例であると考え, ここに報告する. 「はじめに」黄色肉芽腫性胆嚢炎(Xanthogranulomatous cholecystitis:XGC)は胆嚢内圧上昇により胆嚢壁内に侵入した胆汁を貪食した組織球を中心とした肉芽腫形成...
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Published in | Tando Vol. 29; no. 4; pp. 790 - 799 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本胆道学会
2015
Japan Biliary Association |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0914-0077 1883-6879 |
DOI | 10.11210/tando.29.790 |
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Summary: | 「要旨」:症例は70歳の女性. 心窩部痛を主訴に当院を受診した. 各種画像検査にて胆嚢腺筋腫症, 黄色肉芽腫性胆嚢炎を合併した胆嚢癌と術前診断し, 手術を施行した. 病理組織学的検討において胆嚢体部に胆嚢癌, 分節型の胆嚢腺筋腫症を認め, 体部から底部に黄色肉芽腫性胆嚢炎を認めた. 本症例は画像所見が質的診断に有用であるのみならず, 組織像を反映するものであった示唆に富む症例であると考え, ここに報告する. 「はじめに」黄色肉芽腫性胆嚢炎(Xanthogranulomatous cholecystitis:XGC)は胆嚢内圧上昇により胆嚢壁内に侵入した胆汁を貪食した組織球を中心とした肉芽腫形成を特徴とする胆嚢炎の一亜型であり, 画像上胆嚢癌との鑑別が問題となる場合がある. また, 高率に胆嚢癌が合併するとされ, 術前診断には注意を要する. 今回, 各種画像検査が術前診断に有用であったXGC, 胆嚢腺筋腫症(gallbladder adenomyomatosis:ADM)が併存した胆嚢癌の1切除例を経験したので報告する. |
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ISSN: | 0914-0077 1883-6879 |
DOI: | 10.11210/tando.29.790 |