左下葉気管支の中心型早期肺癌の診断を契機に発見した左B10気管支欠損の1例

背景.気管支欠損の報告は散見されるが,左下葉病変は稀有であり,また悪性病変合併例の報告はこれまでみられていない.今回,中心型早期肺癌の診断を契機に発見した左B10気管支欠損を経験したので報告する.症例.68歳男性,住民検診における喀痰細胞診にて扁平上皮癌が検出され,前医を受診した.気管支鏡検査で左下葉中心型早期肺扁平上皮癌と診断され,PDT目的に当科紹介となった.胸部CTで病変は指摘できなかったが,左B10の欠損を認めた.左S10には異常所見を認めなかった.気管支鏡検査にて,左底幹入口部から長軸進展距離12 mmの平坦型病変を認めた.また左底幹は二分岐であり,左B10は確認できなかった.以上よ...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 40; no. 5; pp. 433 - 437
Main Authors 桜田, 晃, 大石, 久, 東郷, 威男, 矢吹, 皓, 小林, 数馬, 三友, 英紀, 川上, 徹, 江場, 俊介, 星, 史彦, 岡田, 克典
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 25.09.2018
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.40.5_433

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Summary:背景.気管支欠損の報告は散見されるが,左下葉病変は稀有であり,また悪性病変合併例の報告はこれまでみられていない.今回,中心型早期肺癌の診断を契機に発見した左B10気管支欠損を経験したので報告する.症例.68歳男性,住民検診における喀痰細胞診にて扁平上皮癌が検出され,前医を受診した.気管支鏡検査で左下葉中心型早期肺扁平上皮癌と診断され,PDT目的に当科紹介となった.胸部CTで病変は指摘できなかったが,左B10の欠損を認めた.左S10には異常所見を認めなかった.気管支鏡検査にて,左底幹入口部から長軸進展距離12 mmの平坦型病変を認めた.また左底幹は二分岐であり,左B10は確認できなかった.以上より,左B10気管支閉鎖症および左下葉中心型早期肺癌と診断した.気管支閉鎖症の治療適応はないと判断し,中心型早期肺癌に対してPDTを施行した.しかしPDTの治療効果は不十分であり,結果として左下葉管状切除術を行った.結論.左B10気管支欠損と中心型早期肺癌の合併した,稀な症例を経験した.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.40.5_433