新たな精神生理学的虚偽検出の指標 : 規準化脈波容積の適用可能性

• Published in: 生理心理学と精神生理学 Vol. 21; no. 3; pp. 217 - 230
• Main Authors: 田中, 豪一, 澤田, 幸農, 高澤, 則美, 廣田, 昭久, 松田, いづみ, 長野, 祐一郎
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 日本生理心理学会 31.12.2003
• ISSN: 0289-2405; 2185-551X
• DOI: 10.5674/jjppp1983.21.217

【要約】本研究は, 精神生理学的虚偽検出の新しい指標として, 規準化脈波容積(NPV)の適用可能性を検討した. 28名の健常な学部学生(男14名, 女14名)が模擬窃盗を犯すように求められた. その被験者は各々貴金属が1つ入った封筒を1つ盗み, それを隠すようにと教示された. その後, 被験者に対して隠したものに関する有罪知識検査(GKT)が行われ, NPV, 末梢皮膚血流量, 心拍数, 皮膚コンダクタンス反応, 皮膚コンダクタンス水準, 収縮期・拡張期血圧, 胸部・腹部呼吸率が記録された. 結果は, 質問呈示後の最初の15秒間で, 非裁決項目よりも裁決項目でNPVがより大きく低下したことを示した. NPVの低下パタンは末梢血流量のパタンとほぼ同一であった. 本研究は, 実務のポリグラフ検査への適用について, NPVが鋭敏な費用効率の高い指標であることを強く示唆している.