もやもや病に対するencephalo-galeo-synangiosisの効果
もやもや病(以下, 本症)の外科治療法は種々提唱されているが, 動脈吻合を要する直接血行再建術6)10)16)と血管の豊富な組織を脳表に接着させる間接血行再建術1)2)3)4)5)7)8)9)11)13)に大別される. 間接血行再建術として外科治療が開始された当初から, 側頭筋5)9)13)や浅側頭動脈11)を接着させる方法が普及しているが, これらの方法では解剖学的要因から脳表と接着させる部位に制限がある. これに対し, 頭蓋を広く被っている帽状腱膜はどの部位でも脳表と接着させることができる. 当教室では, 1979年に側頭筋をdonorとするencephalo-myo-synangiosi...
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Published in | 脳卒中の外科 Vol. 28; no. 2; pp. 98 - 103 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
2000
日本脳卒中の外科学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0914-5508 1880-4683 |
DOI | 10.2335/scs1987.28.2_98 |
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Summary: | もやもや病(以下, 本症)の外科治療法は種々提唱されているが, 動脈吻合を要する直接血行再建術6)10)16)と血管の豊富な組織を脳表に接着させる間接血行再建術1)2)3)4)5)7)8)9)11)13)に大別される. 間接血行再建術として外科治療が開始された当初から, 側頭筋5)9)13)や浅側頭動脈11)を接着させる方法が普及しているが, これらの方法では解剖学的要因から脳表と接着させる部位に制限がある. これに対し, 頭蓋を広く被っている帽状腱膜はどの部位でも脳表と接着させることができる. 当教室では, 1979年に側頭筋をdonorとするencephalo-myo-synangiosis(EMS)による外科治療を開始し3)4)9)13), 1981年からはEMSに加えて, 盲端とした浅側頭動脈に周囲組織である帽状腱膜を一部つけて有茎弁とし, burr holeから脳表に接着させる方法(encephalo-arterio-synangiosis:EAS)2)3)4)を行ってきた. 1986年には, EASを発展させ, 帽状腱膜それ自体をdonarとするencephalo-galeo-synangiosis(EGS)を開発した1)2)4). |
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ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs1987.28.2_98 |