冷え症女性における局所性および全身性皮膚冷却時の脳波の特徴
冷え症の人の冷覚に関わる脳活動の特徴を明らかにするために, 冷え症とそうではない若年成人女性を対象として, 局所性および全身性皮膚冷却時の脳波 (EEG) 応答を検討した. EEGは閉眼時に頭頂部から導出し, 4周波数帯 (θ, α1, α2, β) のスペクトルパワーを解析した. 局所性皮膚冷却実験では, ペルティエ素子を備えた局所温度調節装置を用いて, 両側足背部の局所皮膚温を33℃から23℃へ低下させた. 全身性皮膚冷却実験では, 水循環スーツを用いて, 平均皮膚温を36-36.5℃から34-34.5℃に低下させた. その結果, 冷え症のEEG特性として, 1) 局所性および全身性皮膚冷...
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Published in | 日本生気象学会雑誌 Vol. 56; no. 1; pp. 25 - 33 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本生気象学会
01.06.2019
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Subjects | |
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ISSN | 0389-1313 1347-7617 |
DOI | 10.11227/seikisho.56.25 |
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Summary: | 冷え症の人の冷覚に関わる脳活動の特徴を明らかにするために, 冷え症とそうではない若年成人女性を対象として, 局所性および全身性皮膚冷却時の脳波 (EEG) 応答を検討した. EEGは閉眼時に頭頂部から導出し, 4周波数帯 (θ, α1, α2, β) のスペクトルパワーを解析した. 局所性皮膚冷却実験では, ペルティエ素子を備えた局所温度調節装置を用いて, 両側足背部の局所皮膚温を33℃から23℃へ低下させた. 全身性皮膚冷却実験では, 水循環スーツを用いて, 平均皮膚温を36-36.5℃から34-34.5℃に低下させた. その結果, 冷え症のEEG特性として, 1) 局所性および全身性皮膚冷却時の低周波数α波の低い出現率, および 2) 局所性ではなく全身性の皮膚冷却中におけるβ波の高い出現率が示された. |
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ISSN: | 0389-1313 1347-7617 |
DOI: | 10.11227/seikisho.56.25 |