患側の自然気胸を繰り返した気管支閉鎖症の1例

症例.症例は基礎疾患のない16歳,女性.高校就学時健診の胸部X線写真で左上肺野の透過性亢進を指摘され,当院紹介となった.胸部CTで左B3領域の気管支閉鎖症と診断した.感染合併ないことから手術時期を検討しつつ経過を観察していたが,4か月後,7か月後の再診時に軽度の左自然気胸を発症していた.いずれも自然軽快したが,繰り返す気胸のため手術適応と判断し,初診後12か月目に外科手術を施行し,胸腔鏡下に左肺S3を区域切除した.気胸の原因となっていたブラを含む病変部を外科的に切除し,気胸の再発なく外来フォロー中である.結論.気管支閉鎖症と気胸の合併は報告が少なく,両者の関連,気管支閉鎖症の治療方針を議論する...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 38; no. 3; pp. 224 - 228
Main Authors 池亀, 聡, 德石, 恵太, 岡林, 寛, 赤沢, 慶子, 田尾, 義昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2016
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.38.3_224

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Summary:症例.症例は基礎疾患のない16歳,女性.高校就学時健診の胸部X線写真で左上肺野の透過性亢進を指摘され,当院紹介となった.胸部CTで左B3領域の気管支閉鎖症と診断した.感染合併ないことから手術時期を検討しつつ経過を観察していたが,4か月後,7か月後の再診時に軽度の左自然気胸を発症していた.いずれも自然軽快したが,繰り返す気胸のため手術適応と判断し,初診後12か月目に外科手術を施行し,胸腔鏡下に左肺S3を区域切除した.気胸の原因となっていたブラを含む病変部を外科的に切除し,気胸の再発なく外来フォロー中である.結論.気管支閉鎖症と気胸の合併は報告が少なく,両者の関連,気管支閉鎖症の治療方針を議論する上で本症例は重要な1例であると考えられた.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.38.3_224