右下腹部痛にて発症したNuck管水腫の1成人例と本邦報告例の検討

「要旨」症例は26歳女性, 6カ月前より右鼠径部に疼痛ともなう腫瘤を認めていた. エコーにて索状物の内部に境界明瞭な無エコー像が認められNuck管水腫の所見であったが, 疼痛をともなうことにより鼠径ヘルニアや子宮内膜症が鑑別として挙げられた. 手術では右子宮円索内部に液体貯留を認め, Nuck管水腫の所見であった. Nuck管水腫の成人での報告例は少なく, 文献的考察を加え報告する. 「はじめに」Nuck管水腫は通常は女児にて認められ, 男性の陰嚢水腫と同義である. 今回われわれは, 鼠径部痛で発症したNuck管水腫の成人例で, 摘出術によりその後は再発なく経過した症例を経験したので, 文献的...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in医療 Vol. 62; no. 6; pp. 347 - 349
Main Authors 矢加, 部茂, 伊藤, 修平, 澤田, 雄宇, 池尻, 公二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 2008
国立医療学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.62.347

Cover

Loading…
More Information
Summary:「要旨」症例は26歳女性, 6カ月前より右鼠径部に疼痛ともなう腫瘤を認めていた. エコーにて索状物の内部に境界明瞭な無エコー像が認められNuck管水腫の所見であったが, 疼痛をともなうことにより鼠径ヘルニアや子宮内膜症が鑑別として挙げられた. 手術では右子宮円索内部に液体貯留を認め, Nuck管水腫の所見であった. Nuck管水腫の成人での報告例は少なく, 文献的考察を加え報告する. 「はじめに」Nuck管水腫は通常は女児にて認められ, 男性の陰嚢水腫と同義である. 今回われわれは, 鼠径部痛で発症したNuck管水腫の成人例で, 摘出術によりその後は再発なく経過した症例を経験したので, 文献的考察を加えて報告する. 症例 症例:26歳, 女性 主訴:右鼠径部腫瘤, 圧痛 既往歴:とくになし. 妊娠・出産歴なし. 月経歴もとくに問題がなかった. 現病歴:2006年10月頃より右下腹部痛が出現.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.62.347