表面電極列を用いた表面筋電図の定性的評価の試み

筋線維伝導速度(MFCV)を詳細に調べるため,著者らが提案した正規化ピーク平均法(NPAT)を用いて表面筋電図の定性的評価を試みた。健常者10人を対象に等尺性肘屈曲運動中の神経筋接合部中心の位置を推定した。神経筋接合部中心の位置は,NPATで得られた平均パルスの波形が歪むときの表面電極列の位置から推定した。表面電極列は,推定した神経筋接合部中心の位置から1 cm離して装着し,電極の位置が中枢部半分の筋電図データ1と抹消部半分の筋電図データ2とに分けてMFCVを調べた。また,NPATと既存の相互相関法(CCT)で算出したMFCVを互いに比較した。その結果,MFCV値においては,NPATとCCTの...

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Published inSaitama rigakuryoho Vol. 11; no. 1; pp. 29 - 34
Main Authors 田口, 孝行, 井上, 和久, 磯崎, 弘司, 中山, 彰一, 丸岡, 弘, 原, 和彦, 江原, 晧吉, 細田, 多穂, 西原, 賢, 熊井, 初穂, 溝呂木, 忠, 藤縄, 理, 二見, 俊郎, 久保田, 章仁
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 埼玉県理学療法士会 2004
埼玉県理学療法士会
Saitama Physical Therapy Association
Subjects
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ISSN0919-9241
1348-0294
DOI10.11350/jspta.11.29

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Summary:筋線維伝導速度(MFCV)を詳細に調べるため,著者らが提案した正規化ピーク平均法(NPAT)を用いて表面筋電図の定性的評価を試みた。健常者10人を対象に等尺性肘屈曲運動中の神経筋接合部中心の位置を推定した。神経筋接合部中心の位置は,NPATで得られた平均パルスの波形が歪むときの表面電極列の位置から推定した。表面電極列は,推定した神経筋接合部中心の位置から1 cm離して装着し,電極の位置が中枢部半分の筋電図データ1と抹消部半分の筋電図データ2とに分けてMFCVを調べた。また,NPATと既存の相互相関法(CCT)で算出したMFCVを互いに比較した。その結果,MFCV値においては,NPATとCCTの間に高い相関を示しおり,NPATの平均パルスは活動電位の筋線維伝導の様子を表していることが分かった。また,筋電図データ1は筋電図データ2と比べて明らかにMFCV値が大きかったことから,推定した神経筋接合部の位置は正しいことが示唆された。
ISSN:0919-9241
1348-0294
DOI:10.11350/jspta.11.29