急性胆嚢炎に対するTokyo Guidelines 2013の妥当性の検証

今回自験例を対象として,急性胆嚢炎診療ガイドライン2013(TG13)の妥当性を検討した.対象は当科において急性胆嚢炎と診断し入院加療した65例である.入院時にTG13診断基準:A(局所炎症所見),B(全身炎症所見),C(画像所見)を満たした症例は各60例,62例,59例で,疑診58例(89%),確診53例(82%)となった.入院時疑診の診断基準を満たさなかった症例7例のうち,入院前・後の所見を追加すると,疑診は62例(95%),確診は56例(86%)となり,診断基準を満たさなかったのは3例のみであった.入院時の重症度判定では軽症が50例,中等症が15例であり,中等症例では入院期間が有意に長く...

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Published in胆道 Vol. 28; no. 4; pp. 627 - 632
Main Authors 安達, 運, 三浦, 幸太郎, 江波戸, 直久, 三浦, 亮, 相磯, 光彦, 山本, 貴嗣, 高森, 頼雪, 石井, 太郎, 田中, 篤, 滝川, 一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 2014
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Summary:今回自験例を対象として,急性胆嚢炎診療ガイドライン2013(TG13)の妥当性を検討した.対象は当科において急性胆嚢炎と診断し入院加療した65例である.入院時にTG13診断基準:A(局所炎症所見),B(全身炎症所見),C(画像所見)を満たした症例は各60例,62例,59例で,疑診58例(89%),確診53例(82%)となった.入院時疑診の診断基準を満たさなかった症例7例のうち,入院前・後の所見を追加すると,疑診は62例(95%),確診は56例(86%)となり,診断基準を満たさなかったのは3例のみであった.入院時の重症度判定では軽症が50例,中等症が15例であり,中等症例では入院期間が有意に長く(p=0.031),胆嚢ドレナージ施行例数が有意に高頻度であった(P=0.023).以上より,TG13の妥当性は極めて高いことが明らかとなった.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.28.627