肝内結石症に合併する肝内胆管癌のProfile調査
厚生労働省難治性疾患克服研究事業難治性肝・胆道疾患調査研究班参加施設を対象に,1990-2009年の肝内結石症合併肝内胆管癌のProfile調査を行った.調査期間の肝内結石症症例は696例,肝内胆管癌合併症例は37例(5.3%)であった.癌合併症例の肝内結石症罹患期間は,従来から特徴的とされる肝内結石症罹患歴10年以上の症例が37%と最多であったが,肝内結石とほぼ同時に癌が発見された肝内結石症罹患歴0-6カ月の症例が36%とほぼ同数認められ,その頻度は2000年以降増加していた.肝内結石症に合併する肝内胆管癌の65%が腫瘤指摘により診断され,その治療成績は極めて不良であった.肝内胆管癌の診断は...
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Published in | Tando Vol. 28; no. 5; pp. 741 - 746 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本胆道学会
2014
Japan Biliary Association |
Subjects | |
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Summary: | 厚生労働省難治性疾患克服研究事業難治性肝・胆道疾患調査研究班参加施設を対象に,1990-2009年の肝内結石症合併肝内胆管癌のProfile調査を行った.調査期間の肝内結石症症例は696例,肝内胆管癌合併症例は37例(5.3%)であった.癌合併症例の肝内結石症罹患期間は,従来から特徴的とされる肝内結石症罹患歴10年以上の症例が37%と最多であったが,肝内結石とほぼ同時に癌が発見された肝内結石症罹患歴0-6カ月の症例が36%とほぼ同数認められ,その頻度は2000年以降増加していた.肝内結石症に合併する肝内胆管癌の65%が腫瘤指摘により診断され,その治療成績は極めて不良であった.肝内胆管癌の診断は従来の直接造影法もしくは胆管内内視鏡による細胞診・生検が主で,2000年以降臨床使用されているMRI-DWI, FDG-PETなどの新たな診断Modalityの実施頻度は低く,その評価は困難であった.今後さらに症例を集積し肝内胆管癌早期発見のための診断方法についての検討が必要である. |
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ISSN: | 0914-0077 1883-6879 |
DOI: | 10.11210/tando.28.741 |