膵癌に対する術中超音波検査の最近の進歩

当科では膵癌に対し門脈合併膵頭十二指腸切除をこれまで積極的に施行してきた.膵癌手術において剥離面陰性にすることは良好な予後を得るために最も重要である.より精密な進展度診断を行うために当科では術中超音波検査および門脈血管内超音波検査(IPEUS)を施行している.さらに肝転移の診断においては術中にReal-time tissue elastography(RTE)を応用している.IPEUSは8Fr,20MHzのtip rotating system IVUS catheterを用いているが,門脈浸潤の診断において最も信頼性の高い診断法である.また肝転移の鑑別診断は手術の適応決定に重要である.RTE...

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Published in膵臓 Vol. 26; no. 1; pp. 66 - 71
Main Authors 杉本, 博行, 竹田, 伸, 藤井, 努, 野本, 周嗣, 粕谷, 英樹, 中尾, 昭公
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本膵臓学会 2011
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ISSN0913-0071
1881-2805
DOI10.2958/suizo.26.66

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Summary:当科では膵癌に対し門脈合併膵頭十二指腸切除をこれまで積極的に施行してきた.膵癌手術において剥離面陰性にすることは良好な予後を得るために最も重要である.より精密な進展度診断を行うために当科では術中超音波検査および門脈血管内超音波検査(IPEUS)を施行している.さらに肝転移の診断においては術中にReal-time tissue elastography(RTE)を応用している.IPEUSは8Fr,20MHzのtip rotating system IVUS catheterを用いているが,門脈浸潤の診断において最も信頼性の高い診断法である.また肝転移の鑑別診断は手術の適応決定に重要である.RTEにより組織の硬さを画像化することが可能となった.術中RTEは肝良性腫瘍と肝転移の鑑別診断を容易とする.これらの術中超音波検査法は適切な膵癌手術を行う上で重要である.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.26.66