経過観察中に自然血栓化した未破裂内頚動脈瘤の1例

「はじめに」脳血管写上の脳動脈瘤の自然消失について, くも膜下出血後13)や未破裂巨大脳動脈瘤9)での報告が散見され, 近年では解離性脳動脈瘤4)における自然消失(治癒)例も報告されている. また, 巨大動脈瘤ではない未破裂脳動脈瘤で, 合併した脳動静脈奇形の治療後2)4)10)やもやもや病の血行再建術後3)に動脈瘤が消失したとの報告もみられる. 一方, 未破裂脳動脈瘤に関してはMRAまたは3D-CTAでの経過観察が一般的と思われる. しかし, 3D-CTA上で, 通常のanterior circulationの未破裂嚢状動脈瘤でなんらの処置も行わずに自然消失したとの報告はわれわれの渉猟しえた...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 38; no. 2; pp. 114 - 118
Main Authors 山田, 裕樹, 黄木, 正登, 嘉山, 孝正, 金城, 利彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2010
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.38.114

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Summary:「はじめに」脳血管写上の脳動脈瘤の自然消失について, くも膜下出血後13)や未破裂巨大脳動脈瘤9)での報告が散見され, 近年では解離性脳動脈瘤4)における自然消失(治癒)例も報告されている. また, 巨大動脈瘤ではない未破裂脳動脈瘤で, 合併した脳動静脈奇形の治療後2)4)10)やもやもや病の血行再建術後3)に動脈瘤が消失したとの報告もみられる. 一方, 未破裂脳動脈瘤に関してはMRAまたは3D-CTAでの経過観察が一般的と思われる. しかし, 3D-CTA上で, 通常のanterior circulationの未破裂嚢状動脈瘤でなんらの処置も行わずに自然消失したとの報告はわれわれの渉猟しえた限りでは見当たらない. われわれは経過観察中にMRAで自然血栓化が認められ, 3D-CTAで自然消失した未破裂脳動脈瘤を経験したので報告する. 「症例」患者:70歳, 女性. 主訴:頭痛. 既往歴:高血圧症. 現病歴:2006年7月, 頭痛を訴え近医を受診, MRA(Fig. 1)で右内頚動脈に内下方向きの小型の未破裂脳動脈瘤を指摘された.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.38.114