オトガイ孔に留意した骨造成術:ラテラルインシジョンテクニック変法を用いた水平的歯槽堤増大術

「緒言」近年, インプラント治療は, 材料学的進歩と臨床術式の向上による適応症の拡大に伴い, 欠損補綴における有効な選択肢の1つとして広く臨床応用されている. 特にその残存率の高さから, インプラント補綴は下顎臼歯部欠損で高頻度に行われている. 歯を失うと, それに伴う束状骨の吸収が顎堤の喪失を引き起こすと報告されている. 特に日本人における頬側皮質骨の厚みは薄く, より大きな水平的骨吸収が生ずるものと考えられる. インプラントの長期安定のためには, インプラント周囲に最低でも1mm以上の骨の残存が必要であると報告されており, 十分な顎堤幅のない条件下においてインプラント治療を施す場合, 顎堤...

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Published inJournal of Japanese Society of Oral Implantology Vol. 29; no. 4; pp. 265 - 272
Main Authors 笹谷, 和伸, 古市, 嘉秀, 小倉, 隆一, 岩野, 義弘, 田中, 譲治, 笛木, 貴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本口腔インプラント学会 2016
日本口腔インプラント学会
Japanese Society of Oral Implantology
Subjects
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ISSN0914-6695
2187-9117
DOI10.11237/jsoi.29.265

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Summary:「緒言」近年, インプラント治療は, 材料学的進歩と臨床術式の向上による適応症の拡大に伴い, 欠損補綴における有効な選択肢の1つとして広く臨床応用されている. 特にその残存率の高さから, インプラント補綴は下顎臼歯部欠損で高頻度に行われている. 歯を失うと, それに伴う束状骨の吸収が顎堤の喪失を引き起こすと報告されている. 特に日本人における頬側皮質骨の厚みは薄く, より大きな水平的骨吸収が生ずるものと考えられる. インプラントの長期安定のためには, インプラント周囲に最低でも1mm以上の骨の残存が必要であると報告されており, 十分な顎堤幅のない条件下においてインプラント治療を施す場合, 顎堤の水平的造成が必要となる. 顎堤の幅を増大する様々な外科手技は, 1980年代より開発されてきたが, GBR法の登場は, その成功率の高さと適応症の広さから, インプラント治療の適応の幅を大きく拡大した.
ISSN:0914-6695
2187-9117
DOI:10.11237/jsoi.29.265