低出生体重児における視知覚の発達特性―Frostig視知覚発達検査とWechsler系知能検査の結果から
精神遅滞がなく, 上肢機能と視力が良好な低出生体重児を対象としてFrostig視知覚発達検査 (以下F検査) とWechsler系知能検査 (以下W検査) の結果を分析した. 検査時年齢で2つの群に分け (年少群 : 4~7歳未満19例, 年長群 : 7~11歳未満23例), 各群で両検査結果の相関を検討し, さらに年少群のF検査での障害がその後のW検査経過にどのように反映されるか検討した. 年少群では,「空間における位置」 (以下IV) 以外のF下位検査は動作性IQと有意な相関があり, IVは検査時月齢と有意な負の相関があった. 年長群では, IVも動作性IQと有意な相関があり,「視覚と運動...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 42; no. 7; pp. 447 - 456 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
社団法人 日本リハビリテーション医学会
2005
日本リハビリテーション医学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0034-351X 1880-778X |
DOI | 10.2490/jjrm1963.42.447 |
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Summary: | 精神遅滞がなく, 上肢機能と視力が良好な低出生体重児を対象としてFrostig視知覚発達検査 (以下F検査) とWechsler系知能検査 (以下W検査) の結果を分析した. 検査時年齢で2つの群に分け (年少群 : 4~7歳未満19例, 年長群 : 7~11歳未満23例), 各群で両検査結果の相関を検討し, さらに年少群のF検査での障害がその後のW検査経過にどのように反映されるか検討した. 年少群では,「空間における位置」 (以下IV) 以外のF下位検査は動作性IQと有意な相関があり, IVは検査時月齢と有意な負の相関があった. 年長群では, IVも動作性IQと有意な相関があり,「視覚と運動の協応」以外は言語性IQとも有意な相関があった. 年少群のF検査での障害はその後の「積木模様」の障害として残った. 年少群の児童にはワーキングメモリ, 随意的サッケードを含めた視覚の情報処理過程に障害があり, 視空間認知障害はその後も存在し続ける. |
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ISSN: | 0034-351X 1880-778X |
DOI: | 10.2490/jjrm1963.42.447 |