虚血性心疾患の臨床

「はじめに」日本での年間心疾患死亡者数は196,926人, なかでも虚血心疾患に起因する病死は年間71,672人と報告されており, 今なお多くの方が虚血性心疾患で命を奪われている. 一方で, 近年, 血管内カテーテル治療(PCI)が発達し, 心筋梗塞などでは, 従来の外科手術(CABG)より迅速に冠動脈の再灌流が行えるようになり, 術後予後を大きく改善させてきている. 今回, 動脈硬化性疾患である狭心症について, その病態と治療に関して知見を紹介する. 「虚血性心疾患に対する治療」心臓カテーテル検査は現在, 狭心症や心筋梗塞が疑われると日常的に行われる検査のひとつであり, 何か病変が見つかると...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 13; no. 4; pp. 210 - 213
Main Authors 黒部, 裕嗣, 佐田, 政隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 01.10.2017
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ISSN1349-8975
1880-2877
DOI10.1272/manms.13.210

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Summary:「はじめに」日本での年間心疾患死亡者数は196,926人, なかでも虚血心疾患に起因する病死は年間71,672人と報告されており, 今なお多くの方が虚血性心疾患で命を奪われている. 一方で, 近年, 血管内カテーテル治療(PCI)が発達し, 心筋梗塞などでは, 従来の外科手術(CABG)より迅速に冠動脈の再灌流が行えるようになり, 術後予後を大きく改善させてきている. 今回, 動脈硬化性疾患である狭心症について, その病態と治療に関して知見を紹介する. 「虚血性心疾患に対する治療」心臓カテーテル検査は現在, 狭心症や心筋梗塞が疑われると日常的に行われる検査のひとつであり, 何か病変が見つかると即座にPCIが施行されるようになった. 2016年度の国内の治療件数は, 待機症例で19万件, 緊急症例が7万件と報告されており, 計26万件のPCI治療が実施されている. PCI件数の増加に伴い, その手技やデバイスも進化してきている.
ISSN:1349-8975
1880-2877
DOI:10.1272/manms.13.210