ビスホスホネートが骨芽細胞の増殖および遺伝子発現に与える影響

ビスホスホネート(BPs)は破骨細胞の活性化を抑制し,強力な骨吸収抑制作用を示して骨密度を増加させ,骨粗鬆症による骨折を低下させることが報告されている.また,破骨細胞に対する作用機序は窒素非含有第一世代BPsと窒素含有第二,三世代BPsとでは,異なることが知られている.今回私たちは,第一世代BPsのetidronate,第二世代BPsのalendronate,または第三世代BPsのrisedronateをヒト由来株化骨芽細胞Saos-2に添加し,細胞増殖能に与える影響を検討した.さらに,BPsが石灰化に関与する?T型コラーゲン(COL1-α),オステオカルシン(OC),アルカリホスファターゼ(...

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Published inJournal of the Japanese Association of Regenerative Dentistry Vol. 2; no. 3; pp. 182 - 191
Main Authors 鎌田, 愛子, 堂前, 英資, 合田, 征司, 上野, 眞徳, 池尾, 隆, 前田, 潤一郎, 吉川, 美弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本再生歯科医学会 2005
Japanese Association of Regenerative Dentistry
Subjects
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ISSN1348-9615
1880-0815
DOI10.11223/jard.2.182

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Summary:ビスホスホネート(BPs)は破骨細胞の活性化を抑制し,強力な骨吸収抑制作用を示して骨密度を増加させ,骨粗鬆症による骨折を低下させることが報告されている.また,破骨細胞に対する作用機序は窒素非含有第一世代BPsと窒素含有第二,三世代BPsとでは,異なることが知られている.今回私たちは,第一世代BPsのetidronate,第二世代BPsのalendronate,または第三世代BPsのrisedronateをヒト由来株化骨芽細胞Saos-2に添加し,細胞増殖能に与える影響を検討した.さらに,BPsが石灰化に関与する?T型コラーゲン(COL1-α),オステオカルシン(OC),アルカリホスファターゼ(ALP)の遺伝子発現に与える影響を検討した.骨芽細胞増殖能はetidronateの影響を受けず,alendronateまたはrisedronate添加で濃度依存的に抑制された.同様にCOL1-α,OC,ALPのmRNA発現はalendronateまたはrisedronate添加で抑制されたが,etidronate添加では影響がなかった.以上のことより,BPsの骨芽細胞活性に与える影響は,側鎖に含まれる窒素の有無により異なることが示唆された.
ISSN:1348-9615
1880-0815
DOI:10.11223/jard.2.182