気管支鏡検査後に一過性全健忘を来した1例

症例.64歳女性.前医胸部CTで,左S6に15 mm大の周囲にすりガラス影を有する結節影を指摘された.3か月後の経過CTでも陰影に変化は認められなかったが本人の不安が強く,精査目的のため当科紹介となり気管支鏡検査を行った.検査中はバイタルサインや意思疎通に変化は認められなかったが,検査を終了し1時間後の診察の際,主治医の名前・検査内容・来院した目的などの記憶がなくなっていた.諸検査の結果,一過性全健忘との診断となり,家族の付き添いでその日は帰宅し,翌日の再診時には健忘は軽快していた.結論.検査後に生じた一過性全健忘は,健診時から本検査までの不安増幅が主な原因と考えられ,検査について説明する際の...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 40; no. 6; pp. 558 - 562
Main Authors 棟方, 充, 國井, 泰人, 金沢, 賢也, 小泉, 達彦, 井口, 正寛, 谷野, 功典, 梅田, 隆志, 横内, 浩, 吾妻, 啓佑, 峯村, 浩之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 25.11.2018
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.40.6_558

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Summary:症例.64歳女性.前医胸部CTで,左S6に15 mm大の周囲にすりガラス影を有する結節影を指摘された.3か月後の経過CTでも陰影に変化は認められなかったが本人の不安が強く,精査目的のため当科紹介となり気管支鏡検査を行った.検査中はバイタルサインや意思疎通に変化は認められなかったが,検査を終了し1時間後の診察の際,主治医の名前・検査内容・来院した目的などの記憶がなくなっていた.諸検査の結果,一過性全健忘との診断となり,家族の付き添いでその日は帰宅し,翌日の再診時には健忘は軽快していた.結論.検査後に生じた一過性全健忘は,健診時から本検査までの不安増幅が主な原因と考えられ,検査について説明する際の患者への十分な配慮や事前の抗不安薬投与の検討が重要と思われた.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.40.6_558