「おむつなし育児」をすると子どものおむつは早く外れるのか
「I. 緒言」日本では, 乳幼児のおむつが外れる時期はしだいに遅くなってきている. 二世代ほど前には1歳前後でおむつが外れていたのが, 徐々に遅くなり, 今では3歳でもおむつがとれない子どもが少なくないと言われている. 金山・丸山は, 近年家庭だけではなく, 幼稚園や保育所でも排泄の自立が遅くなっている傾向にあると指摘し, 保育者の多くが「3歳入園・進級時におむつを使用している子どもの姿は珍しいものではなくなった」, 「3歳を過ぎても排泄の自立が確立されていない幼児の育ちが心配である」と話すようになったと述べている. おむつが外れる時期が遅くなっていることの一つの要因として考えられるのが, ト...
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Published in | 民族衛生 Vol. 82; no. 4; pp. 156 - 165 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本民族衛生学会
31.07.2016
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0368-9395 1882-868X |
DOI | 10.3861/jshhe.82.156 |
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Summary: | 「I. 緒言」日本では, 乳幼児のおむつが外れる時期はしだいに遅くなってきている. 二世代ほど前には1歳前後でおむつが外れていたのが, 徐々に遅くなり, 今では3歳でもおむつがとれない子どもが少なくないと言われている. 金山・丸山は, 近年家庭だけではなく, 幼稚園や保育所でも排泄の自立が遅くなっている傾向にあると指摘し, 保育者の多くが「3歳入園・進級時におむつを使用している子どもの姿は珍しいものではなくなった」, 「3歳を過ぎても排泄の自立が確立されていない幼児の育ちが心配である」と話すようになったと述べている. おむつが外れる時期が遅くなっていることの一つの要因として考えられるのが, トイレトレーニングを開始する時期の遅れである. 日本小児保健協会の「平成22年度幼児健康度調査報告」によると, 1歳児でまだ排尿に関してトイレトレーニングを始めていない人の割合は, 1980年の調査では28%であったのが, 1990年では67%, 2000年では86%, 2010年では89%と増加しており, また2歳児でトイレトレーニングをしている人の割合に関しても, 1990年の調査では94%, 2000年では79%, 2010年では54%となっており, この20年でトイレトレーニングを始める時期が遅くなってきていると報告されている. |
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ISSN: | 0368-9395 1882-868X |
DOI: | 10.3861/jshhe.82.156 |