興味深い造影ハーモニックEUS像を呈した胆囊癌の1例

本症例は，胆囊腺筋腫症におけるRokitansky-Aschoff sinus（RAS）内に進展し，一部で浸潤を認めるpT2（SS）胆囊癌の1例である．胆囊内にpolypoidに増殖する乳頭型腫瘍を呈し，内部で領域性に異なる増殖パターンを呈した．病理学的に，乳頭型腺癌の組織像を呈し，不整な乳頭腺管状構築をとりながら増殖している領域と充実性の構造を示し，密な腫瘍細胞の増殖を認める領域に分かれていた．造影ハーモニックEUSでは，腫瘤は造影早期より腫瘍血管構造が描出された後，均一かつ強く濃染される領域と少し遅れて内部に太く蛇行する異常血管が緩徐に造影され，その後不均一に造影される領域に2分された．本...

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Published inTando Vol. 32; no. 4; pp. 775 - 781
Main Authors 今井, 元, 竹中, 完, 大本, 俊介, 吉川, 智恵, 松本, 逸平, 工藤, 正俊, 竹山, 宜典, 木村, 雅友, 三長, 孝輔, 榎木, 英介, 鎌田, 研, 山雄, 健太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 31.10.2018
Japan Biliary Association
Subjects
adenomyomatosis
contrast-enhanced harmonic EUS
EUS
gallbladder carcinoma
胆囊癌
胆囊腺筋腫症
造影ハーモニックEUS
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.32.775

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Summary:本症例は，胆囊腺筋腫症におけるRokitansky-Aschoff sinus（RAS）内に進展し，一部で浸潤を認めるpT2（SS）胆囊癌の1例である．胆囊内にpolypoidに増殖する乳頭型腫瘍を呈し，内部で領域性に異なる増殖パターンを呈した．病理学的に，乳頭型腺癌の組織像を呈し，不整な乳頭腺管状構築をとりながら増殖している領域と充実性の構造を示し，密な腫瘍細胞の増殖を認める領域に分かれていた．造影ハーモニックEUSでは，腫瘤は造影早期より腫瘍血管構造が描出された後，均一かつ強く濃染される領域と少し遅れて内部に太く蛇行する異常血管が緩徐に造影され，その後不均一に造影される領域に2分された．本症例の胆囊癌は，異なる組織成分の存在を示唆する興味深い造影ハーモニックEUS画像を呈した．
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.32.775