術後良性胆道狭窄に対する外科治療の現状

術後良性胆道狭窄には外科のみならず,消化器内科,放射線科,内視鏡医,さらには多職種が携わることによる集学的治療が推奨される.その中でも外科治療対象は,内視鏡あるいはIVRなどの内科的治療に対して抵抗性を示した難治例である.外科治療の原則は,狭窄による瘢痕形成の影響が及んでいない血流の良好な健常胆管を露出し,胆管と再建臓器との間に緊張がかからないように吻合することである.また,Bismuth III,IV,V型のように胆道狭窄が肝門部に及ぶ難治症例に対しては,transhepatic approachを用いた肝門部胆管切除,胆管空腸吻合術などの工夫を要することもある.近年ではfully cove...

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Published inTando Vol. 32; no. 4; pp. 743 - 750
Main Authors 大塚, 将之, 古川, 勝規, 吉富, 秀幸, 久保木, 知, 高野, 重紹, 高屋敷, 吏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 31.10.2018
Japan Biliary Association
Subjects
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.32.743

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Summary:術後良性胆道狭窄には外科のみならず,消化器内科,放射線科,内視鏡医,さらには多職種が携わることによる集学的治療が推奨される.その中でも外科治療対象は,内視鏡あるいはIVRなどの内科的治療に対して抵抗性を示した難治例である.外科治療の原則は,狭窄による瘢痕形成の影響が及んでいない血流の良好な健常胆管を露出し,胆管と再建臓器との間に緊張がかからないように吻合することである.また,Bismuth III,IV,V型のように胆道狭窄が肝門部に及ぶ難治症例に対しては,transhepatic approachを用いた肝門部胆管切除,胆管空腸吻合術などの工夫を要することもある.近年ではfully covered self-expandable metallic stentなどの内科治療法の有用性の報告もあるが,難治例に対する外科治療適応は依然として存在すると考えられる.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.32.743