母子の食物新奇性恐怖と食生活コミュニケーションが野菜摂取におよぼす影響

「I 緒言」健康寿命の延伸及び生活の質の向上の実現を目的として「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」が実施されたが, 取り組まれた9つの分野のうち, 「歯の健康」に関しては小児の間食の問題を除いて多くが達成または改善傾向にあった. しかし, 「栄養と食生活」分野では, 約60%が変化なしまたは悪化という結果であり, 野菜の低消費等, 目標値に達していない多くの項目がみられた. 急速な食生活の変容がもたらしている"食"を取り巻く問題では, 顎や口腔の機能および発育低下による歯科疾患増加など, 小児期における深刻化が顕著でありその影響が極めて憂慮されている. こ...

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Published in民族衛生 Vol. 82; no. 5; pp. 183 - 202
Main Authors 淀川, 尚子, 徳永, 淳也, 丸谷, 美紀, 波多野, 浩道
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本民族衛生学会 30.09.2016
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Summary:「I 緒言」健康寿命の延伸及び生活の質の向上の実現を目的として「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」が実施されたが, 取り組まれた9つの分野のうち, 「歯の健康」に関しては小児の間食の問題を除いて多くが達成または改善傾向にあった. しかし, 「栄養と食生活」分野では, 約60%が変化なしまたは悪化という結果であり, 野菜の低消費等, 目標値に達していない多くの項目がみられた. 急速な食生活の変容がもたらしている"食"を取り巻く問題では, 顎や口腔の機能および発育低下による歯科疾患増加など, 小児期における深刻化が顕著でありその影響が極めて憂慮されている. このような状況に鑑み2005年の食育基本法制定を背景として, 地域や学校での食育に関するポピュレーションアプローチが実施されているが, 小児に対する知識伝達に偏った形式的な食育では, 成人後の食生活に対して有意な効果を与えてないことが, 報告されている.
ISSN:0368-9395
1882-868X
DOI:10.3861/jshhe.82.183