糖尿病患者由来歯肉線維芽細胞のコラーゲンコートチタンへの初期付着について

近年,わが国において著しい糖尿病患者の増加が認められる.糖尿病患者は重度の歯周病を併発しやすく,歯牙の喪失にいたる場合が多いので,糖尿病患者に対するインプラント材料への細胞レベルでの挙動を知る必要性があるのではないかと考えられる.しかし,今までに糖尿病患者由来の細胞を用いてチタンに対する初期付着や増殖を調べた報告はほとんどない.そこで,今回われわれは糖尿病患者由来歯肉線維芽細胞のチタンプレートへの初期付着について検討した.チタンプレートに細胞接着タンパク質であるコラーゲンType?Tでコーティング処理してその効果を調べた.その結果,非尿病患者由来歯肉線維芽細胞ではコラーゲンコーティングによりチ...

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Published in日本再生歯科医学会誌 Vol. 4; no. 2; pp. 109 - 115
Main Authors 布施, 恵, 早川, 徹, 竹内, 麗理, 根深, 研一, 若井, 広明, 福本, 雅彦, 牧村, 正治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本再生歯科医学会 2007
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Summary:近年,わが国において著しい糖尿病患者の増加が認められる.糖尿病患者は重度の歯周病を併発しやすく,歯牙の喪失にいたる場合が多いので,糖尿病患者に対するインプラント材料への細胞レベルでの挙動を知る必要性があるのではないかと考えられる.しかし,今までに糖尿病患者由来の細胞を用いてチタンに対する初期付着や増殖を調べた報告はほとんどない.そこで,今回われわれは糖尿病患者由来歯肉線維芽細胞のチタンプレートへの初期付着について検討した.チタンプレートに細胞接着タンパク質であるコラーゲンType?Tでコーティング処理してその効果を調べた.その結果,非尿病患者由来歯肉線維芽細胞ではコラーゲンコーティングによりチタンへの初期付着数が向上したが,HbA1c9%の高血糖状態で得られた糖尿病患者由来歯肉線維芽細胞に対してはチタンプレートへのコラーゲンコーティングは初期付着向上に効果的でないことが判明した.
ISSN:1348-9615
1880-0815
DOI:10.11223/jard.4.109