切除不能進行再発胃癌に対するS-1+シスプラチン療法の有害事象対策と外来化学療法

「緒言」現在の切除不能進行・再発胃癌に対する治療方針は, 胃癌治療ガイドライン第5版に収載されているように, 化学療法が第一選択であり, HER2陰性胃癌に対してはSPIRITS trialの結果によりS-1+CDDPが推奨されている. しかし, それによる有害事象の頻度, 程度は低いとは言えず施行に当たっては慎重を要する. 特に腎機能障害については注意が必要である. 一方, 外来化学療法室の整備が全国的に広がり, 多くの治療レジメンで外来投与が基本となる中, CDDP投与時に腎障害予防の輸液のため多くの施設で入院での投与が行われていることは, 患者の負担となっていると考えられる. そこでわれ...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 15; no. 3; pp. 128 - 133
Main Authors 谷合, 信彦, 吉田, 寛, 前島, 顕太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 15.06.2019
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ISSN1349-8975
1880-2877
DOI10.1272/manms.15.128

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Summary:「緒言」現在の切除不能進行・再発胃癌に対する治療方針は, 胃癌治療ガイドライン第5版に収載されているように, 化学療法が第一選択であり, HER2陰性胃癌に対してはSPIRITS trialの結果によりS-1+CDDPが推奨されている. しかし, それによる有害事象の頻度, 程度は低いとは言えず施行に当たっては慎重を要する. 特に腎機能障害については注意が必要である. 一方, 外来化学療法室の整備が全国的に広がり, 多くの治療レジメンで外来投与が基本となる中, CDDP投与時に腎障害予防の輸液のため多くの施設で入院での投与が行われていることは, 患者の負担となっていると考えられる. そこでわれわれの行っている実際の施行方法, 有害事象対策と輸液療法室での外来化学療法への導入について検討を行った. 「研究材料および方法」対象は2009年から2015年にかけてわれわれが行ってきた切除不能・再発胃癌でS-1+CDDPが1st lineであった40例(男性30例, 女性10例)について検討した.
ISSN:1349-8975
1880-2877
DOI:10.1272/manms.15.128