歯科用コーンビームCTを用いた上顎洞底挙上術による 上顎洞粘膜の厚さに関する臨床的検討

「緒言」上顎臼歯部抜歯後の歯槽骨吸収および上顎洞内の含気化により, 歯槽骨幅が不足し上顎洞底部と近接したようなケースは多く存在する. 詳言すると, 上顎臼歯部歯の咬合力が働かず, かつ洞内の含気化により, 上顎洞粘膜(以下洞粘膜)由来の破骨細胞の活性化を促すことにより生じる現象である. そのような場合, 骨の増生を行うことがインプラント埋入の必要条件となる. 手術の方法としては, 上顎洞底挙上術を選択することが一般的である. 同手術は1970年代にTATUMにより示され, 十数年後に論文として発表された. 今や上顎洞底挙上術は上顎臼歯部のインプラント治療には欠かすことのできない術式になっている...

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Published inJournal of Japanese Society of Oral Implantology Vol. 29; no. 1; pp. 20 - 28
Main Authors 岡田, 裕之, 櫻井, 甫, 五十嵐, 尚美, 加藤, 仁夫, 五十嵐, 三彦, 豊田, 亮
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本口腔インプラント学会 2016
日本口腔インプラント学会
Japanese Society of Oral Implantology
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ISSN0914-6695
2187-9117
DOI10.11237/jsoi.29.20

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Summary:「緒言」上顎臼歯部抜歯後の歯槽骨吸収および上顎洞内の含気化により, 歯槽骨幅が不足し上顎洞底部と近接したようなケースは多く存在する. 詳言すると, 上顎臼歯部歯の咬合力が働かず, かつ洞内の含気化により, 上顎洞粘膜(以下洞粘膜)由来の破骨細胞の活性化を促すことにより生じる現象である. そのような場合, 骨の増生を行うことがインプラント埋入の必要条件となる. 手術の方法としては, 上顎洞底挙上術を選択することが一般的である. 同手術は1970年代にTATUMにより示され, 十数年後に論文として発表された. 今や上顎洞底挙上術は上顎臼歯部のインプラント治療には欠かすことのできない術式になっている. この術式, 移植材の有無や種類などについては多くの報告がある. しかし, ピエゾエレクトリックサージェリー(以下ピエゾサージェリー)を用いた側方アプローチ上顎洞底挙上術(以下サイナスリフト)と同時インプラント埋入手術を行った症例に対して, 歯科用コンビームCT(以下CBCT)を用いて洞粘膜の経時的な変化を測定した文献は見当たらなかった.
ISSN:0914-6695
2187-9117
DOI:10.11237/jsoi.29.20