一般病棟における『せん妄ケア』の概念分析から得られた看護師の課題
本研究の目的は,慢性期医療に着目した従来の病床機能が,医療資源の集中投入をより必要とする急性期医療の強化に変換された現状に着目し,加齢と共に増加傾向にあるせん妄に対する看護ケアの概念を明確にすることで,今後の課題を探ることである。 方法はRodgers(2000)の概念分析法を用い,『せん妄ケア』を共通言語として概念化し用いることを目的とした。さらに,分析対象を看護学分野の文献に限定することで,看護師の実践しているケアの概念を明確にすることとした。また,本手法はせん妄ケアそのものを示す「属性」とし,用語誕生の元を示す「先行要件」,そしてケア実践の結果を示す「帰結」という3 つの表現で構成され...
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Published in | 日本農村医学会雑誌 Vol. 65; no. 6; pp. 1148 - 1156 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本農村医学会
31.03.2017
日本農村医学会 |
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Summary: | 本研究の目的は,慢性期医療に着目した従来の病床機能が,医療資源の集中投入をより必要とする急性期医療の強化に変換された現状に着目し,加齢と共に増加傾向にあるせん妄に対する看護ケアの概念を明確にすることで,今後の課題を探ることである。 方法はRodgers(2000)の概念分析法を用い,『せん妄ケア』を共通言語として概念化し用いることを目的とした。さらに,分析対象を看護学分野の文献に限定することで,看護師の実践しているケアの概念を明確にすることとした。また,本手法はせん妄ケアそのものを示す「属性」とし,用語誕生の元を示す「先行要件」,そしてケア実践の結果を示す「帰結」という3 つの表現で構成されている。属性と先行要件と帰結それら3 つを統合し概念を分析できる技法であり,本用語を分析する方法として適切であると考えた。 結果,一般病棟におけるせん妄ケアの要件は,切れ間のない安全保持と観察の継続,認知機能の回復,せん妄の早期発見による早期対処による悪化の防止,多職種協働による人的資材の活用であった。そして,せん妄を発症した患者とそれ以外の患者へのケア提供に配慮しながら,限られた看護師の人的資材を最大限に活用する病床管理を実践することも重要であった。 今後の課題は「せん妄ケアの教育」,「尺度の活用」である事が明らかとなった。 |
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ISSN: | 0468-2513 1349-7421 |
DOI: | 10.2185/jjrm.65.1148 |