めまい専門外来で経験したレビー小体型認知症の3例
「はじめに」2014年我が国の総人口に占める65歳以上の割合は26%であり, 日本は世界有数の高齢者社会といえる. 高齢者では, 加齢性変化としての平衡障害をきたしやすくBelalらは, 加齢による前庭機能低下をpresbyastasis (老人性平衡障害) としている. 加齢は末梢前庭系, 中枢神経系, 視覚系, 体性感覚系の体平衡維持にかかわるすべての感覚器, および出力系の機能低下から平衡機能を低下させる. そのためメニエール病や前庭神経炎といったはっきりした診断名のつかないめまい患者が増加すると考えられる. 高齢者のめまいの訴えは曖昧になりやすくなかなか診断のつかない難治性のめまいは老...
Saved in:
Published in | Equilibrium Research Vol. 77; no. 2; pp. 69 - 76 |
---|---|
Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
Kyoto
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
30.04.2018
日本めまい平衡医学会 Japan Science and Technology Agency |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0385-5716 1882-577X |
DOI | 10.3757/jser.77.69 |
Cover
Summary: | 「はじめに」2014年我が国の総人口に占める65歳以上の割合は26%であり, 日本は世界有数の高齢者社会といえる. 高齢者では, 加齢性変化としての平衡障害をきたしやすくBelalらは, 加齢による前庭機能低下をpresbyastasis (老人性平衡障害) としている. 加齢は末梢前庭系, 中枢神経系, 視覚系, 体性感覚系の体平衡維持にかかわるすべての感覚器, および出力系の機能低下から平衡機能を低下させる. そのためメニエール病や前庭神経炎といったはっきりした診断名のつかないめまい患者が増加すると考えられる. 高齢者のめまいの訴えは曖昧になりやすくなかなか診断のつかない難治性のめまいは老人性平衡障害として処理されてしまう. 高齢者の約1割に認知症が存在することが報告され, 病院に受診していない予備軍や認知症に至らない認知機能低下を含めるとかなりの数となることから, 老人性平衡障害と診断を受けた患者の中には潜在的な認知症患者も含まれると考える. |
---|---|
Bibliography: | ObjectType-Article-1 SourceType-Scholarly Journals-1 ObjectType-Feature-2 content type line 14 |
ISSN: | 0385-5716 1882-577X |
DOI: | 10.3757/jser.77.69 |