ターミナルにおける看護師の看取りの満足感に関する研究

〔目的〕訪問看護師と病院勤務看護師のターミナルにおける看取りの満足感と,「自己効力感」,「仕事ストレス」,「職務満足感」,「ターミナルケア態度」との関連を明らかにする。〔方法〕九州北部3県の,訪問看護師106名と病院勤務看護師120名を対象に,基本属性,セルフ・エフィカシー,仕事ストレッサー,職務満足感,ターミナルケア態度,看取りの満足感について調査した。〔結果〕訪問看護師と病院勤務看護師の2群間において,訪問看護師群は,年齢とセルフ・エフィカシーが高く,勤務年数が長く,子どもが多かった。両群において,「看取りの満足感」と「ターミナル態度尺度」の間で,有意な相関がみられた。訪問看護師群では「看...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 61; no. 6; pp. 890 - 903
Main Authors 木村, 裕美, 西尾, 美登里
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2013
日本農村医学会
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ISSN0468-2513
1349-7421
DOI10.2185/jjrm.61.890

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Summary:〔目的〕訪問看護師と病院勤務看護師のターミナルにおける看取りの満足感と,「自己効力感」,「仕事ストレス」,「職務満足感」,「ターミナルケア態度」との関連を明らかにする。〔方法〕九州北部3県の,訪問看護師106名と病院勤務看護師120名を対象に,基本属性,セルフ・エフィカシー,仕事ストレッサー,職務満足感,ターミナルケア態度,看取りの満足感について調査した。〔結果〕訪問看護師と病院勤務看護師の2群間において,訪問看護師群は,年齢とセルフ・エフィカシーが高く,勤務年数が長く,子どもが多かった。両群において,「看取りの満足感」と「ターミナル態度尺度」の間で,有意な相関がみられた。訪問看護師群では「看取りの満足感」と「セルフ・エフィカシー」の間において,有意な相関がみられた。病院勤務看護師群では「看取りの満足感」と「職務満足感」の間において,有意な相関がみられた。〔考察および結論〕訪問看護師は,年齢や看護師としての臨床経験,また人生経験の豊かさなどにより,「セルフ・エフィカシー」が高いと考えられた。 病院勤務看護師,訪問看護師ともに「看取りの満足感」は,ターミナルケアを前向きにとらえることが影響すると考えられた。 訪問看護師群の「看取りの満足感」は,在宅を訪問し,患者・家族に関心をよせ,責任をもったケアを提供し,その人らしい最期に関わることが影響すると考えられた。 病院勤務看護師群の「看取りの満足感」は,看護業務満足度に影響すると考えられた。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.61.890