情動刺激を用いた脳波部位間関連性の定量化と判別評価

本研究は, 情動刺激下における脳機能の関連性を評価し, 人工ニューラルネットワークを用いて判別評価することを目的とした。被験者は, 健常成人22名であり, 心身状態の違いを Cornell Medical Index (CMI) によって, 正常群と神経症予備群に分類した。脳波は, 視聴覚動画像を用いた情動刺激下で測定し, コヒーレンス解析を行った。各群, 各セッション, 各帯域, 各領域について, コヒーレンス値を分散分析で比較した。また, 人工ニューラルネットワークを用いて, 2群の判別を行った。神経症予備群は正常群と比較して, 快, 不快刺激で外側矢状方向と内側冠状方向のコヒーレンス値が...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in臨床神経生理学 Vol. 40; no. 4; pp. 177 - 184
Main Authors 水野(松本), 由子, 浅川, 徹也, 林, 拓世, 村松, 歩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床神経生理学会 2012
Online AccessGet full text
ISSN1345-7101
2188-031X
DOI10.11422/jscn.40.177

Cover

More Information
Summary:本研究は, 情動刺激下における脳機能の関連性を評価し, 人工ニューラルネットワークを用いて判別評価することを目的とした。被験者は, 健常成人22名であり, 心身状態の違いを Cornell Medical Index (CMI) によって, 正常群と神経症予備群に分類した。脳波は, 視聴覚動画像を用いた情動刺激下で測定し, コヒーレンス解析を行った。各群, 各セッション, 各帯域, 各領域について, コヒーレンス値を分散分析で比較した。また, 人工ニューラルネットワークを用いて, 2群の判別を行った。神経症予備群は正常群と比較して, 快, 不快刺激で外側矢状方向と内側冠状方向のコヒーレンス値が有意に高値を示した。コヒーレンス値による群の判別評価の結果は, β1帯域において, 正解率, 感度, 特異度のいずれも 80%以上を示した。心身状態の違いにより, 情動刺激に脳内の対する情報処理過程が異なることが示唆された。さらに, 脳波コヒーレンス値に, 人工ニューラルネットワークを用いることで, 被験者の心身状態を判別評価することが可能であることが示された。
ISSN:1345-7101
2188-031X
DOI:10.11422/jscn.40.177