局所麻酔下胸腔鏡下生検で診断した肺癌肉腫の芽腫様亜型の1例

• Published in: The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 41; no. 1; pp. 40 - 45
• Main Authors: 堂國, 良太, 中田, 恭介, 田村, 大介, 上領, 博, 立原, 素子, 堀, 朱矢, 西村, 善博, 山本, 正嗣, 小林, 和幸
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 25.01.2019; 日本呼吸器内視鏡学会; The Japan Society for Respiratory Endoscopy
• Subjects: Blastomatoid pulmonary carcinosarcoma; Thoracoscopy under local anesthesia; 局所麻酔下胸腔鏡検査; 癌肉腫の芽腫様亜型
• ISSN: 0287-2137; 2186-0149
• DOI: 10.18907/jjsre.41.1_40

背景．肺癌肉腫は非小細胞癌成分と肉腫成分を有する稀な腫瘍である．非小細胞癌成分が胎児型腺癌である場合に肺芽腫との鑑別が必要であり，生検での診断は困難とされる．症例．71歳男性．2か月前から左胸背部痛と労作時呼吸困難があり，近医で左胸水貯留を指摘され当院を受診した．胸水細胞診では核の偏在性を有する異型細胞集塊を認め，腺癌が推定された．局所麻酔下胸腔鏡検査を施行し，臓側および壁側胸膜に多数のポリープ状隆起性病変を認め，同病変の生検組織において核異型の目立たない紡錘形細胞がびまん性に増殖する領域内に，類円形核と淡明な胞体を有する上皮様細胞が索状や胞巣状に増殖し，一部腺腔様構造を示した．軟骨形成も見られ，癌肉腫の芽腫様亜型と診断した．結論．局所麻酔下胸腔鏡検査で診断し得た癌肉腫の芽腫様亜型の1例を経験した．