CEAにおける高位頚動脈病変へのアプローチ

「はじめに」頚動脈ステント留置術(CAS)の技術進歩6)24)などにより, 内頚動脈狭窄症に対する治療の選択肢は広がりつつあるものの, 症候性内頚動脈狭窄症や脆弱な不安定プラークを有する症例に対しては, 現時点でも頚動脈内膜剥離術(CEA)の有効性が高いと考えられる3)7)14)16). CEAを実施する際, その手技において問題となる1つは, 高位病変である. プラーク遠位端の処理は, 手術手技上最も重要な要素であることは言うまでもないが11)15), さらには, 内シャント留置を要する場合, その複雑な操作を安全かつ円滑に実施するためにも, 内頚動脈遠位部に十分に余裕をもった術野を得ること...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 41; no. 2; pp. 83 - 88
Main Authors 杉山, 拓, 数又, 研, 浅岡, 克行, 横山, 由佳, 板本, 孝治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2013
日本脳卒中の外科学会
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Summary:「はじめに」頚動脈ステント留置術(CAS)の技術進歩6)24)などにより, 内頚動脈狭窄症に対する治療の選択肢は広がりつつあるものの, 症候性内頚動脈狭窄症や脆弱な不安定プラークを有する症例に対しては, 現時点でも頚動脈内膜剥離術(CEA)の有効性が高いと考えられる3)7)14)16). CEAを実施する際, その手技において問題となる1つは, 高位病変である. プラーク遠位端の処理は, 手術手技上最も重要な要素であることは言うまでもないが11)15), さらには, 内シャント留置を要する場合, その複雑な操作を安全かつ円滑に実施するためにも, 内頚動脈遠位部に十分に余裕をもった術野を得ること重要になる. われわれは, 内頚動脈遮断時間の短縮できる点, および内膜剥離操作を時間的に余裕をもって実施できる利点を重視し, これまで全例に内シャント留置するCEAを実施してきた. 本稿では, われわれのCEAにおける手技について, 主に術野の展開について詳細に紹介するとともに, 高位病変におけるその妥当性について検討したので報告する.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.41.83