食道切除後縦隔胃管再建時の横隔膜下壁側漿膜下,腹膜外経路経腸栄養カテーテル留置法の経験

食道癌治療の向上のため,食道切除再建時に空腸瘻造設を行なってきた。有用性を実感する一方で腸瘻関連の腸閉塞が問題であった。それゆえ,空腸の腹壁固定を行なわない経横隔膜経胃管経腸栄養カテーテル留置法について検討した。2012年11月から2014年3月までに食道切除後縦隔経路胃管再建術時に経横隔膜経胃管経腸栄養カテーテル留置を行なった食道癌18症例を対象とした。カテーテルは胃管から消化管内に誘導し,先端はTrize靭帯より遠位の空腸に留置,胃管からは,横隔膜沿いに腹膜外経路で前腹壁に誘導した。全症例でこれまでの空腸瘻と同様に使用出来た。留置後5年経過し,カテーテル留置に関連した腸閉塞はなかった。カテ...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 69; no. 5; pp. 510 - 515
Main Authors 齊藤, 研, 久保田, 洋介, 洞口, 正志, 齊藤, 佑介, 平山, 克, 川原田, 康, 熊谷, 卓郎, 齊藤, 礼次郎, 布瀬川, 和樹, 榎本, 好恭, 洞口, 愛, 石井, 大介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 01.01.2021
日本農村医学会
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ISSN0468-2513
1349-7421
DOI10.2185/jjrm.69.510

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Summary:食道癌治療の向上のため,食道切除再建時に空腸瘻造設を行なってきた。有用性を実感する一方で腸瘻関連の腸閉塞が問題であった。それゆえ,空腸の腹壁固定を行なわない経横隔膜経胃管経腸栄養カテーテル留置法について検討した。2012年11月から2014年3月までに食道切除後縦隔経路胃管再建術時に経横隔膜経胃管経腸栄養カテーテル留置を行なった食道癌18症例を対象とした。カテーテルは胃管から消化管内に誘導し,先端はTrize靭帯より遠位の空腸に留置,胃管からは,横隔膜沿いに腹膜外経路で前腹壁に誘導した。全症例でこれまでの空腸瘻と同様に使用出来た。留置後5年経過し,カテーテル留置に関連した腸閉塞はなかった。カテーテルの縦隔内への逸脱症例を1例経験した。後縦隔胃管再建時の経胃管経腸栄養カテーテル留置法は空腸瘻に伴う腸閉塞の回避に有用である。一方で,縦隔内へのカテーテルの逸脱という問題を含有していた。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.69.510