脳磁図の臨床応用に関する文献レビュー (第3報) : 小児疾患
脳磁図検査は, てんかん, 脳血管障害, 認知機能異常などの神経疾患に対して行われて来た。しかし, 小児疾患の中で, てんかん以外は科学的根拠が現状において証明されていない。本研究では, 文献検索に基づき, 小児における神経疾患において, 脳磁図検査がどのように行われているのかを調査した。検索は, MEDLINEを用いて, child AND (MEG OR magnetoencephalography) で行った。検索により, 2010年6月までで, 93論文が検索された。この中で, てんかん, 一症例のみの症例報告, 総説を除外すると, 14論文が見出された。それらの対象疾患は, Diox...
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Published in | 臨床神経生理学 Vol. 40; no. 4; pp. 203 - 208 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本臨床神経生理学会
2012
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Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-7101 2188-031X |
DOI | 10.11422/jscn.40.203 |
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Summary: | 脳磁図検査は, てんかん, 脳血管障害, 認知機能異常などの神経疾患に対して行われて来た。しかし, 小児疾患の中で, てんかん以外は科学的根拠が現状において証明されていない。本研究では, 文献検索に基づき, 小児における神経疾患において, 脳磁図検査がどのように行われているのかを調査した。検索は, MEDLINEを用いて, child AND (MEG OR magnetoencephalography) で行った。検索により, 2010年6月までで, 93論文が検索された。この中で, てんかん, 一症例のみの症例報告, 総説を除外すると, 14論文が見出された。それらの対象疾患は, Dioxin暴露, 脳室周囲白質軟化症, 多小脳回, 白皮症, もやもや病, Angelman症候群, 書字障害, 注意欠陥多動障害, 広汎性発達障害であった。これら研究は全て後ろ向きの対照比較研究で, エビデンスレベルは2aが10論文, 2bが4論文で, レベル1はなかった。推奨グレードは全てBであった。脳磁図検査は小児神経疾患研究において, てんかん研究以外では一般的ではないが, 非侵襲的検査であり, 乳幼児から繰り返し何度も検査を施行できるという利点を持つことから, 発達脳における変化を考察する上で, 脳磁図検査は有力な検査法となることが期待される。 |
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ISSN: | 1345-7101 2188-031X |
DOI: | 10.11422/jscn.40.203 |