カルシウム代謝からみる口腔インプラント:骨代謝研究の立場から

「はじめに」今日, デンタルインプラントは, 製品の技術改良と臨床データの蓄積によって, 急速に普及し良好な治療成績を示している. インプラント治療において顎骨の状態が重要であることは言うまでもなく, CT撮影やエックス線撮影による三次元的な構造解析や骨密度・骨量の評価は, 治療計画を立案するために重要視されている. 顎骨は全身の骨格系の一部であり, 個々の患者が本来もつ全身的な「骨の性質(骨微細構造, 石灰化度骨代謝回転など)」を考慮することも, 治療計画の立案, インプラント治療の実施に際して忘れてはならない. 骨には大きく2つの重要な役割がある. 第一は, 骨格を形成し身体および諸臓器の...

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Published inJournal of Japanese Society of Oral Implantology Vol. 29; no. 1; pp. 4 - 11
Main Authors 吉村, 健太郎, 鈴木, 大, 須澤, 徹夫, 上條, 竜太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本口腔インプラント学会 2016
日本口腔インプラント学会
Japanese Society of Oral Implantology
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ISSN0914-6695
2187-9117
DOI10.11237/jsoi.29.4

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Summary:「はじめに」今日, デンタルインプラントは, 製品の技術改良と臨床データの蓄積によって, 急速に普及し良好な治療成績を示している. インプラント治療において顎骨の状態が重要であることは言うまでもなく, CT撮影やエックス線撮影による三次元的な構造解析や骨密度・骨量の評価は, 治療計画を立案するために重要視されている. 顎骨は全身の骨格系の一部であり, 個々の患者が本来もつ全身的な「骨の性質(骨微細構造, 石灰化度骨代謝回転など)」を考慮することも, 治療計画の立案, インプラント治療の実施に際して忘れてはならない. 骨には大きく2つの重要な役割がある. 第一は, 骨格を形成し身体および諸臓器の重量を支える力学的機能である. 第二は, カルシウムをはじめとする各種ミネラルの貯蔵庫としての代謝的機能である. インプラント治療においては, 前者は咬合力を支えるインプラント埋入部の骨の体積を指し, 「インプラント体の植立部位の選択」にとって重要である.
ISSN:0914-6695
2187-9117
DOI:10.11237/jsoi.29.4