当院における大腸悪性狭窄に対する内視鏡的ステント留置術の現況

平成24年1月より大腸悪性狭窄に対する内視鏡的ステント留置術が保険収載され標準化しつつある。今回大腸悪性狭窄に対して当院にて内視鏡的ステント留置術を施行した65症例について検討した。結果はBTS 84.6%,PAL 15.4%であり,ステント留置率は98.5%であった。早期偶発症はステント脱落が1例,晩期合併症は便塊貯留による再閉塞が1例,ステント逸脱が2例であり穿孔等の重篤な偶発症は認められなかった。ステント留置後の経過についてはBTS症例は54例中53例が手術(ステント留置から手術までの期間は平均20日),1例が化学療法,PAL症例はステント留置から死亡までの期間は平均73日であった。大腸...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 69; no. 5; pp. 506 - 509
Main Authors 石橋, 一樹, 古土井, 明, 進藤, 源太朗, 山下, 未紗, 趙, 成大, 野中, 裕広, 藤本, 佳史, 兵庫, 秀幸, 相坂, 康之, 徳毛, 宏則
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 01.01.2021
日本農村医学会
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Summary:平成24年1月より大腸悪性狭窄に対する内視鏡的ステント留置術が保険収載され標準化しつつある。今回大腸悪性狭窄に対して当院にて内視鏡的ステント留置術を施行した65症例について検討した。結果はBTS 84.6%,PAL 15.4%であり,ステント留置率は98.5%であった。早期偶発症はステント脱落が1例,晩期合併症は便塊貯留による再閉塞が1例,ステント逸脱が2例であり穿孔等の重篤な偶発症は認められなかった。ステント留置後の経過についてはBTS症例は54例中53例が手術(ステント留置から手術までの期間は平均20日),1例が化学療法,PAL症例はステント留置から死亡までの期間は平均73日であった。大腸悪性狭窄に対する内視鏡的ステント留置術は技術的成功率が高く偶発症も少なく安全性,有効性に優れた手技と思われた。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.69.506