首都圏在住の中年成人における不定愁訴と体重認識のずれについて

「I 緒言」体重を過大評価する者が思春期女性に多いことが指摘されている(文谷, 2004;藤瀬, 2003;Ohtahara et al., 1993;浦田, 2001). 体重の過大評価は過度な体重減少を促し, 健康に影響を及ぼすと考えられる. 他方, 体重の過小評価は, 不適切な体重管理に結びつくと考えられ, いずれの体重認識のずれも健康への影響が懸念される. 米国では, 低体重者が体重減少を試み摂食障害を抱える一方で, 肥満者は体重減少に関心が低いという状況がみられ, パラドックスと表現している(Chang and Chrstakis, 2001). 先行研究で, 適正に体重認識している...

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Published in民族衛生 Vol. 75; no. 4; pp. 123 - 130
Main Authors 豊川, 智之, 橋本, 令子, 後藤, 政幸, 古畑, 公, 登坂, 三紀夫, 樫村, 修生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本民族衛生学会 2009
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ISSN0368-9395
1882-868X
DOI10.3861/jshhe.75.123

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Summary:「I 緒言」体重を過大評価する者が思春期女性に多いことが指摘されている(文谷, 2004;藤瀬, 2003;Ohtahara et al., 1993;浦田, 2001). 体重の過大評価は過度な体重減少を促し, 健康に影響を及ぼすと考えられる. 他方, 体重の過小評価は, 不適切な体重管理に結びつくと考えられ, いずれの体重認識のずれも健康への影響が懸念される. 米国では, 低体重者が体重減少を試み摂食障害を抱える一方で, 肥満者は体重減少に関心が低いという状況がみられ, パラドックスと表現している(Chang and Chrstakis, 2001). 先行研究で, 適正に体重認識している者は, 認識がずれている者に比べて不安やうつが少ないことが, 中高生を対象とした米国の研究(Kaplan et al., 1988)や中国の研究(Xie et al., 2006)で示されている. また, 体重を過大評価する思春期女性は自己受容が低いことが, 摂食障害患者のみならず, 健常者において示されている(McCarthy, 1990;竹内ほか, 1993).
ISSN:0368-9395
1882-868X
DOI:10.3861/jshhe.75.123