頭痛の有無に注目した小児めまい例の検討

「はじめに」 小児のめまい・平衡障害を訴える例の特徴として, 特に低年齢であるほど患者本人からのめまいの性状やQOLについての聴取, 臨床検査の施行が困難であることが多い. また疾患構成も成人と異なり, メニエール病などの耳性めまいの割合が低い一方, 起立性調節障害(orthostatic dysregulation: OD), 小児良性発作性めまい(Benign Paroxysmal Vertigo of Childhood: BPVC)や前庭性片頭痛が多くなる傾向がある. BPVCは1964年にBasserによって初めて報告された幼児期に多く見られるめまいで, 前触れなく生じ数分~数時間で...

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Published inEquilibrium Research Vol. 83; no. 3; pp. 156 - 162
Main Authors 乾, 崇樹, 栗山, 達朗, 森山, 興, 綾仁, 悠介, 稲中, 優子, 荒木, 倫利, 萩森, 伸一, 河田, 了, 吉田, 誠司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本めまい平衡医学会 30.06.2024
日本めまい平衡医学会
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Summary:「はじめに」 小児のめまい・平衡障害を訴える例の特徴として, 特に低年齢であるほど患者本人からのめまいの性状やQOLについての聴取, 臨床検査の施行が困難であることが多い. また疾患構成も成人と異なり, メニエール病などの耳性めまいの割合が低い一方, 起立性調節障害(orthostatic dysregulation: OD), 小児良性発作性めまい(Benign Paroxysmal Vertigo of Childhood: BPVC)や前庭性片頭痛が多くなる傾向がある. BPVCは1964年にBasserによって初めて報告された幼児期に多く見られるめまいで, 前触れなく生じ数分~数時間で自然軽快する回転性めまい発作を繰り返すが, 発作間欠期には神経所見や聴力・平衡機能は正常というものである. BPVCは一定数が将来片頭痛に移行していく, 片頭痛の家族歴が多く見られるという特徴があり, 片頭痛に関連する周期性症候群とされている.
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.83.156