当院高度救命救急センターにおける高齢者医療の現状

「緒言」現在のわが国において, 救急搬送件数は増加の一途をたどっている. 中でも高齢化社会を背景に高齢者搬送件数の増加が著しい. こうした背景の中, 当施設においても入院に占める高齢者の割合が近年飛躍的に増加傾向にある. 一方, 高齢者は有病率も高く, また様々な基礎疾患を有しているために, 治療に難渋することも多く, 入院期間の長期化が問題点として指摘されている. 今回われわれは東京都三次救急医療施設である当院高度救命救急センターに搬送された65歳以上の高齢者における疾患の特徴や平均在院日数および転帰を検討し, 高齢者医療の現状と問題点を把握するために本研究を行った. 「研究材料および方法」...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 9; no. 2; pp. 129 - 134
Main Authors 恩田, 秀賢, 鈴木, 剛, 松本, 学, 金, 史英, 辻井, 厚子, 新井, 正徳, 宮内, 雅人, 布施, 明, 川井, 真, 横田, 裕行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2013
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Summary:「緒言」現在のわが国において, 救急搬送件数は増加の一途をたどっている. 中でも高齢化社会を背景に高齢者搬送件数の増加が著しい. こうした背景の中, 当施設においても入院に占める高齢者の割合が近年飛躍的に増加傾向にある. 一方, 高齢者は有病率も高く, また様々な基礎疾患を有しているために, 治療に難渋することも多く, 入院期間の長期化が問題点として指摘されている. 今回われわれは東京都三次救急医療施設である当院高度救命救急センターに搬送された65歳以上の高齢者における疾患の特徴や平均在院日数および転帰を検討し, 高齢者医療の現状と問題点を把握するために本研究を行った. 「研究材料および方法」1. 材料 2004年1月1日から2010年12月31日までの7年間に日本医科大学付属病院高度救命救急センターに搬送された患者は13,067例であり, 65歳以上(以下高齢者群)で心肺停止であった症例を除いた4,600例を対象とし, 同期間に搬送された心肺停止症例を除いた64歳以下(以下若壮年者群)の6,627症例と比較検討した.
ISSN:1349-8975
1880-2877
DOI:10.1272/manms.9.129