タンパク質固定化GTRメンブレンへのヒト歯肉由来線維芽細胞の付着

現在,歯科臨床において,生分解性材料を利用したGuided Tissue Regeneration (GTR) メンブレンが応用されている.しかしながら,これらメンブレン自体には細胞接着を促進させるような生理活性機能はない.本研究ではGTRメンブレンにアルカリ加水分解処理を施して,脱水縮合剤によって細胞接着タンパク質であるコラーゲンまたはフィブロネクチンを固定化し,ヒト歯肉由来線維芽細胞の付着や増殖に及ぼす影響を調べた.その結果,アルカリ処理を10分間行ってコラーゲン固定したメンブレンでは,細胞の付着数の向上が見られたが,メンブレンの分解反応が起こりやすくなった.アルカリ加水分解に代わる固定化...

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Published in日本再生歯科医学会誌 Vol. 5; no. 1; pp. 3 - 10
Main Authors 布施, 恵, 早川, 徹, 深津, 晶, 續橋, 治, 新井, 僚子, 市村, 真奈, 福本, 雅彦, 牧村, 正治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本再生歯科医学会 2007
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Summary:現在,歯科臨床において,生分解性材料を利用したGuided Tissue Regeneration (GTR) メンブレンが応用されている.しかしながら,これらメンブレン自体には細胞接着を促進させるような生理活性機能はない.本研究ではGTRメンブレンにアルカリ加水分解処理を施して,脱水縮合剤によって細胞接着タンパク質であるコラーゲンまたはフィブロネクチンを固定化し,ヒト歯肉由来線維芽細胞の付着や増殖に及ぼす影響を調べた.その結果,アルカリ処理を10分間行ってコラーゲン固定したメンブレンでは,細胞の付着数の向上が見られたが,メンブレンの分解反応が起こりやすくなった.アルカリ加水分解に代わる固定化方法の検討が必要であることが示唆された.
ISSN:1348-9615
1880-0815
DOI:10.11223/jard.5.3