救急医療現場における多様な業務体系が看護師の心身に与える影響

救急看護師は緊張感が高いストレス環境にあり,病棟看護師よりストレスが高いと言われている.さらに,経験年数に応じて難易度の高い業務が課せられることから,より強い負荷が生じている.しかし実際には,難易度の高い煩雑な業務に従事しながらも,それを適度なストレスとしてモチベーションに繋げていると思われる看護師も存在する.そこで,臨床実践能力を段階的に習得していく複合型の業務体系をもつ2施設の救命救急センター看護師に対しストレス調査を実施し,業務態様別に3群に分けて分析した.その結果,多様な業務 (リーダー・急患対応・受け持ち業務) に携わっている群は,他の2群 (急患対応・受け持ち業務担当,および受け持...

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Published in心身健康科学 Vol. 10; no. 1; pp. 18 - 24
Main Authors 臼井, 美登里, 鈴木, はる江, 庄子, 和夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本心身健康科学会 01.02.2014
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ISSN1882-6881
1882-689X
DOI10.11427/jhas.10.18

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Summary:救急看護師は緊張感が高いストレス環境にあり,病棟看護師よりストレスが高いと言われている.さらに,経験年数に応じて難易度の高い業務が課せられることから,より強い負荷が生じている.しかし実際には,難易度の高い煩雑な業務に従事しながらも,それを適度なストレスとしてモチベーションに繋げていると思われる看護師も存在する.そこで,臨床実践能力を段階的に習得していく複合型の業務体系をもつ2施設の救命救急センター看護師に対しストレス調査を実施し,業務態様別に3群に分けて分析した.その結果,多様な業務 (リーダー・急患対応・受け持ち業務) に携わっている群は,他の2群 (急患対応・受け持ち業務担当,および受け持ち業務のみ担当) に比べ有意に自己効力感が高く,ストレスと特性不安が低かった.またこの群は,職業性ストレス簡易調査票細項目の対人関係ストレスは高いが仕事のコントロール度も高く,仕事の質的負担・疲労感・不安感・抑うつ感・身体愁訴が他の2群に比べ低かった.臨床実践能力を段階的に習得していく複合型の業務体系による様々な看護経験が,特性不安やストレス状態を軽減し,自己効力感を高める一要因であることが示唆された.
ISSN:1882-6881
1882-689X
DOI:10.11427/jhas.10.18