市中病院における臨床検査技師の脳波教育のかたち

当院は専従の脳波検査技師や脳波専門医がおらず, 脳波教育の環境が整っていなかったため, 指導医との脳波判読会, 院内多職種勉強会および他院検査技師との合同勉強会を通して脳波教育に取り組んだ。その結果, 技師が判読技術を習得し, 脳波検査室の検査技術が向上しただけでなく, 医師や他院技師との連携が強化された。近年, 神経救急領域ではリアルタイムで脳波判読を行い, 症状と総合して診断し治療介入することが重要視されており, 検査に立ち会う技師の役割は大きい。また, タスクシフト/シェアの観点から技師による判読が求められる可能性がある。したがって, 多施設が協力して判読技術を持った検査技師を育成するこ...

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Published inJapanese Journal of Clinical Neurophysiology Vol. 52; no. 1; pp. 64 - 69
Main Authors 崔, 聡, 中倉, 真之, 浦田, 洋二, 短田, 浩一, 木下, 真幸子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床神経生理学会 01.02.2024
Japanese Society of Clinical Neurophysiology
Subjects
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ISSN1345-7101
2188-031X
DOI10.11422/jscn.52.64

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Summary:当院は専従の脳波検査技師や脳波専門医がおらず, 脳波教育の環境が整っていなかったため, 指導医との脳波判読会, 院内多職種勉強会および他院検査技師との合同勉強会を通して脳波教育に取り組んだ。その結果, 技師が判読技術を習得し, 脳波検査室の検査技術が向上しただけでなく, 医師や他院技師との連携が強化された。近年, 神経救急領域ではリアルタイムで脳波判読を行い, 症状と総合して診断し治療介入することが重要視されており, 検査に立ち会う技師の役割は大きい。また, タスクシフト/シェアの観点から技師による判読が求められる可能性がある。したがって, 多施設が協力して判読技術を持った検査技師を育成することで, 地域の脳波検査室の水準が底上げされて脳神経疾患診療の質向上につながり, ひいては患者の利益に寄与すると考えられる。
ISSN:1345-7101
2188-031X
DOI:10.11422/jscn.52.64