臨床に呼応した迅速細胞診

近年CT, MRI, 超音波など画像診断の進歩は目覚しいが, この画像診断とともに細胞診が全身臓器の腫瘍に対して積極的に施行され, その結果を確定診断とし, 直ちに治療が開始される傾向にある. しかし迅速細胞診を積極的に行う施設は少なく, その有用性が周知されているとは言い難い実情にある. 当院では, 20年前から迅速細胞診を日常診断業務に取り入れ, 積極的に外来, 術中, 最近では剖検時に迅速細胞診を行っており, その有用性を確認した. そこで迅速細胞診の目的, 方法, 有用性などについて解説する. さらに当病理部で積極的に施行している迅速免疫染色法の迅速細胞診への応用についても言及する....

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 1; no. 3; pp. 102 - 109
Main Authors 内藤, 善哉, 横山, 宗伯, 前田, 昭太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2005
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ISSN1349-8975
1880-2877
DOI10.1272/manms.1.102

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Summary:近年CT, MRI, 超音波など画像診断の進歩は目覚しいが, この画像診断とともに細胞診が全身臓器の腫瘍に対して積極的に施行され, その結果を確定診断とし, 直ちに治療が開始される傾向にある. しかし迅速細胞診を積極的に行う施設は少なく, その有用性が周知されているとは言い難い実情にある. 当院では, 20年前から迅速細胞診を日常診断業務に取り入れ, 積極的に外来, 術中, 最近では剖検時に迅速細胞診を行っており, その有用性を確認した. そこで迅速細胞診の目的, 方法, 有用性などについて解説する. さらに当病理部で積極的に施行している迅速免疫染色法の迅速細胞診への応用についても言及する. 迅速細胞診を解説するにあたって, 最初に通常の細胞診の有用性, 種類について簡単に述べる. I 細胞診の有用性について 細胞診の有用性についてはTable 1にまとめて記載したごとく枚挙に暇がない. 組織診と比較すると悪性細胞の浸潤部位, 浸潤の程度, 組織構築を把握しにくいなどの難点はあるが, 組織診と併用することによって解決しうる問題である.
ISSN:1349-8975
1880-2877
DOI:10.1272/manms.1.102