地域在住高齢者における睡眠と生活機能との関連

「はじめに」 高齢者の介護予防は我が国における喫緊の課題である. 介護予防は, 要介護状態の発生を出来るだけ防ぐこと, またはすでに介護状態にあってもその悪化を出来る限り防ぐことと定義されるが, 予防医学的視点からは, 要介護状態の発生を防ぐための介護予防がより重要であることは言うまでもない. これまで介護予防は, 主に身体・精神機能を低下させる慢性疾患の予防や治療の強化により行われていたが, 近年では, 疾患の予防や治療の管理だけではなく, 生活機能の低下を防ぐことが高齢者の健康維持及び介護予防のためには特に重要であると考えられている. 日本人高齢者を対象とした研究においても, 生活機能低下...

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Published in日本衛生学雑誌 Vol. 67; no. 4; pp. 492 - 500
Main Authors 田中, 美加, 渡辺, 知保, 井, 美代子, 田ヶ谷, 浩邦, 小嶋, 麻美, 久佐賀, 眞理
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本衛生学会 2012
日本衛生学会
Subjects
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ISSN0021-5082
1882-6482
DOI10.1265/jjh.67.492

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Summary:「はじめに」 高齢者の介護予防は我が国における喫緊の課題である. 介護予防は, 要介護状態の発生を出来るだけ防ぐこと, またはすでに介護状態にあってもその悪化を出来る限り防ぐことと定義されるが, 予防医学的視点からは, 要介護状態の発生を防ぐための介護予防がより重要であることは言うまでもない. これまで介護予防は, 主に身体・精神機能を低下させる慢性疾患の予防や治療の強化により行われていたが, 近年では, 疾患の予防や治療の管理だけではなく, 生活機能の低下を防ぐことが高齢者の健康維持及び介護予防のためには特に重要であると考えられている. 日本人高齢者を対象とした研究においても, 生活機能低下を示す高齢者は1年後の介護保険制度による要介護認定の発生が高く(1), 生活機能低下は介護予防における重要な概念である. 我が国における介護予防事業においても, 生活機能の評価を, 介護予防活動の不可欠なfirst stepと位置づけ, この結果をもとに将来要介護状態になる可能性が高い高齢者(2次予防事業対象者)を把握し, 生活機能を向上させるための介入プログラムに反映させようとしている(2).
ISSN:0021-5082
1882-6482
DOI:10.1265/jjh.67.492