パーキンソン病患者を対象とした歩行能力評価法の信頼性の検討

本研究の目的は,外来通院中のパーキンソン病患者18名を対象に,5m 歩行テスト,Timed Up & Go Test(TUG)および10m 障害物歩行の相対信頼性と絶対信頼性を検討することである。相対信頼性は級内相関係数(ICC),絶対信頼性はBland-Altman 分析を用いて検討した。その結果,5m 歩行テスト,TUG,10m 障害物歩行のICC は,それぞれ0.97,0.94,0.89であった。5m 歩行テストおよびTUG は系統誤差を認めず,最小可検変化量は0.6秒および1.8秒であった。10m 障害物歩行は加算誤差が確認されたため,誤差の許容範囲を算出したところ0.1~2....

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Published inヘルスプロモーション理学療法研究 Vol. 10; no. 2; pp. 85 - 89
Main Authors 村田, 伸, 八谷, 瑞紀, 大田尾, 浩, 中村, 正造, 熊野, 亘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ヘルスプロモーション理学療法学会 22.07.2020
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ISSN2186-3741
2187-3305
DOI10.9759/hppt.10.85

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Summary:本研究の目的は,外来通院中のパーキンソン病患者18名を対象に,5m 歩行テスト,Timed Up & Go Test(TUG)および10m 障害物歩行の相対信頼性と絶対信頼性を検討することである。相対信頼性は級内相関係数(ICC),絶対信頼性はBland-Altman 分析を用いて検討した。その結果,5m 歩行テスト,TUG,10m 障害物歩行のICC は,それぞれ0.97,0.94,0.89であった。5m 歩行テストおよびTUG は系統誤差を認めず,最小可検変化量は0.6秒および1.8秒であった。10m 障害物歩行は加算誤差が確認されたため,誤差の許容範囲を算出したところ0.1~2.9秒であった。これらの知見から,パーキンソン病患者の5m 歩行テスト,TUG には高い信頼性があることが明らかとなった。一方,10m 障害物歩行の相対信頼性は高いものの,絶対信頼性では加算誤差が確認され,1回目よりも2回目の測定値が速くなる傾向が示された。
ISSN:2186-3741
2187-3305
DOI:10.9759/hppt.10.85