オミクス解析を用いたバイオマーカー開発から空間的分子解析による形態理解へ

「1. はじめに」バイオマーカーとは, 『通常の生物学的過程, 病理学的過程, もしくは治療的介入に対する薬理学的応答の指標として, 客観的に測定され評価される特性』をいう. 血液検査, 腫瘍マーカーなどの検査値や, DNA, RNA, 蛋白質, ペプチド, 画像診断データなどが含まれる. 種類としては, 疾患の診断に用いるための診断マーカー, 治療効果を予測する予測マーカーなどに分けられ, 用途によって使い分けられている. 医療では様々な場面でバイオマーカーが用いられており, バイオマーカーは診断, 治療, 薬剤開発に役立てられている. 2000年代初頭から生体分子を網羅的に解析できる技術で...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 19; no. 2; pp. 78 - 83
Main Authors 石野, 孔祐, 大橋, 隆治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 20.04.2023
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:「1. はじめに」バイオマーカーとは, 『通常の生物学的過程, 病理学的過程, もしくは治療的介入に対する薬理学的応答の指標として, 客観的に測定され評価される特性』をいう. 血液検査, 腫瘍マーカーなどの検査値や, DNA, RNA, 蛋白質, ペプチド, 画像診断データなどが含まれる. 種類としては, 疾患の診断に用いるための診断マーカー, 治療効果を予測する予測マーカーなどに分けられ, 用途によって使い分けられている. 医療では様々な場面でバイオマーカーが用いられており, バイオマーカーは診断, 治療, 薬剤開発に役立てられている. 2000年代初頭から生体分子を網羅的に解析できる技術であるオミクス解析が行われてきた. オミクス解析とは, 生体分子を対象とする網羅的解析の総称で, 対象とする生体分子によって手技が異なる.
ISSN:1349-8975
1880-2877
DOI:10.1272/manms.19.78