胆汁酸受容体TGR5活性化による健康寿命の延伸

「1. はじめに」健康寿命とは「日常的に介護を必要としないで, 自立した生活ができる生存期間」と定義される. 2013年の時点で, 男性の健康寿命は71.2歳, 女性では74.2歳であり (厚生労働省 厚生科学審議会 健康21 (第二次) 推進専門委員会報告), 平均寿命との差がそれぞれ約9年, 12年となる. 超高齢社会を迎える日本において, この差を限りなくゼロに近くすることが望まれている. 厚生労働省「国民生活基礎調査の概況」によると, 要支援者, 要介護者の支援・介護が必要となった原因の1位は脳血管疾患 (脳卒中) が21%であり, そのあとを高齢による衰弱, 関節疾患, 骨折・転倒を...

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Published in脂質栄養学 Vol. 25; no. 1; pp. 35 - 42
Main Author 佐藤, 隆一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脂質栄養学会 2016
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ISSN1343-4594
1883-2237
DOI10.4010/jln.25.35

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Summary:「1. はじめに」健康寿命とは「日常的に介護を必要としないで, 自立した生活ができる生存期間」と定義される. 2013年の時点で, 男性の健康寿命は71.2歳, 女性では74.2歳であり (厚生労働省 厚生科学審議会 健康21 (第二次) 推進専門委員会報告), 平均寿命との差がそれぞれ約9年, 12年となる. 超高齢社会を迎える日本において, この差を限りなくゼロに近くすることが望まれている. 厚生労働省「国民生活基礎調査の概況」によると, 要支援者, 要介護者の支援・介護が必要となった原因の1位は脳血管疾患 (脳卒中) が21%であり, そのあとを高齢による衰弱, 関節疾患, 骨折・転倒を合わせた35%が続いている. 従って, 中高年齢時期に脳血管疾患等の生活習慣病に罹患する確率を下げ, たとえ発症した場合でも重篤な症状に陥らないように未然に予防することが必要である. また, 高齢期には上記の介護の原因を引き起こさないように, 身体機能の維持が重要となる.
ISSN:1343-4594
1883-2237
DOI:10.4010/jln.25.35