都市ガスの付臭剤を用いた既存カテゴリーに対する臭質の適合度評定

我々は,既存の臭質カテゴリーに着臭者によって規定された新規の臭質が導入される場合,ユーザーが独自に臭質カテゴリーに対する臭質の適合度を評定していると考えた.本研究では都市ガスの臭質カテゴリーを例にとり,臭質カテゴリーに既存の臭質および4種類の新規の臭質に対して「都市ガスのニオイ」との共通したラベリングを行った.その上で,臭質カテゴリーに対する適合度の指標として言語ラベルに対する違和感評定を実施した結果,既存の臭質が最も低い違和感を示し,新規の臭質に関しては臭気物質により違和感の程度に違いが認められることが分かった.更に,各臭質に対する違和感の評定値を基にユーザーの群分けを試みたところ,ユーザー...

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Published inにおい・かおり環境学会誌 Vol. 41; no. 6; pp. 421 - 433
Main Authors 小早川, 達, 松葉佐, 智子, 戸田, 英樹, 後藤, なおみ, 五味, 保城
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 におい・かおり環境協会 25.11.2010
におい・かおり環境協会
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Summary:我々は,既存の臭質カテゴリーに着臭者によって規定された新規の臭質が導入される場合,ユーザーが独自に臭質カテゴリーに対する臭質の適合度を評定していると考えた.本研究では都市ガスの臭質カテゴリーを例にとり,臭質カテゴリーに既存の臭質および4種類の新規の臭質に対して「都市ガスのニオイ」との共通したラベリングを行った.その上で,臭質カテゴリーに対する適合度の指標として言語ラベルに対する違和感評定を実施した結果,既存の臭質が最も低い違和感を示し,新規の臭質に関しては臭気物質により違和感の程度に違いが認められることが分かった.更に,各臭質に対する違和感の評定値を基にユーザーの群分けを試みたところ,ユーザーは新規の臭質に関して評定傾向が異なる2群に分類された.また,違和感評定では既存の臭質において両群に差があるとは言えなかったが,既存の臭質と形容詞対との関連度を測定した結果,群間の違いが示された.
ISSN:1348-2904
1349-7847
DOI:10.2171/jao.41.421